復興、再生、コロナ克服 東北6県知事が年頭訓示

 仕事始めを迎えた4日、東北6県の知事は年頭訓示や記者会見で、今年一年の抱負や目標を語った。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、3月で東日本大震災発生から10年となる。疫病の克服と復興再生への誓いを新たにした。

青森/コロナ後へ準備進める

 三村申吾青森県知事は、県庁で幹部職員約40人に年頭の訓示を行った。「新型コロナウイルス対策に引き続き全庁を挙げて取り組もう」と呼び掛けた。

 県産の大玉サクランボ品種「ジュノハート」の全国デビューなど、コロナ渦でも成果を挙げた昨年の事業を例示。「コロナの先を見据えて準備し、部局横断的に経済を回す取り組みを進めてほしい」と強調した。

 今年の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」については、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の審査が今夏行われることを念頭に、「登録実現に向けて期待が高まっている」と述べた。

岩手/支援に感謝、現状を発信

 達増拓也岩手県知事は年頭の訓示を動画で配信した。新型コロナウイルス関連の対応に当たる職員をねぎらい「感染拡大防止に全力で取り組もう」と述べた。

 発生から10年を迎える東日本大震災に関しては「復興は大きく進んだ」と強調。国内外からの支援に対する感謝や復興した姿を発信し、災害の知見・教訓を危機管理対策に生かすとした。その上で「一人一人に寄り添いながら復興を進めよう」と呼び掛けた。

 達増知事は12年以降、仕事始めは沿岸部を視察し、現地職員を前に訓示してきた。今年は感染症対策で年末年始休暇の分散取得を推奨したことなどから形式を変更した。

秋田/東京圏集中「是正」必要

 佐竹敬久秋田県知事は、県庁で職員約60人に年頭の訓示を行った。新型コロナウイルス感染拡大について「収まるには今年1年、完全な日常に戻るには2、3年を要する。東京圏一極集中の是正、人口の適度な地方分散しか本質的解決にはならない」と強調した。

 コロナ後の社会構造変化にも言及。「地熱、風力といった再生可能エネルギーや農林水産業の食料など、秋田はアフターコロナに存在感を増す資源の宝庫。どう生かすか、ここ数年が勝負だ」と意気込んだ。

 政府が進める新型コロナ対策のための特別措置法改正に触れ「法による行動制限はやむを得ない面もあるが、裏を返せば国民を信用していないことになる」と指摘。「決まりをつくらずとも県民に協力してもらえる、信頼される県政を目指そう」と呼び掛けた。

宮城/被災者ケア、全力で臨む

 村井嘉浩宮城県知事は、新型コロナウイルス対策で職員の密集を避けるため庁内放送で年頭の心構えを説いた。東日本大震災からの復興完遂とコロナ対応を最重要テーマに挙げ、「躍進に向けてやるべきことはたくさんある。全力で駆け抜けよう」と訴えた。

 3月11日に震災から10年を迎えることについては「大きな節目だ。被災者の心のケアなど残された課題に最優先で臨む」と強調。コロナ対策では感染抑止と経済活動の両立に全庁一丸で臨むと宣言し、「県民に明るいニュースを届けられるよう頑張ろう」と奮起を促した。

山形/災害に強い県づくりを

 吉村美栄子山形県知事は年頭記者会見で「昨年策定した第4次県総合発展計画を一歩一歩着実に推進したい」と抱負を述べた。

 昨年7月末に県内を襲った記録的豪雨を念頭に「明らかになった課題を踏まえ、ハードとソフト両面での防災力の強化、災害に強い県づくりを進めたい」と強調した。

 新型コロナウイルス感染拡大に関し「急速にデジタル化が進行し、東京一極集中型の社会構造のリスクが顕在化した」とも指摘。「初めて地方分散の流れが生じるなど、ピンチをチャンスに変える大きな転機となる」と述べ、デジタル技術の活用や県の魅力発信を進める考えを示した。

福島/10年の節目、挑戦継続

 内堀雅雄福島県知事は年頭記者会見に臨み、「今年は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年の節目。復興再生と福島ならではの地方創生の実現に向け、全力で挑戦を続けていく」と述べた。

 4月には、福島の再生に重点を置く第2期復興・創生期間が始まる。内堀知事は「安心感を持って復興を進めるため態勢や制度、財源を基に具体的取り組みを着実に進める」と抱負を語った。大部分で避難解除の見通しが立っていない帰還困難区域に関しては「方針を早急に示すよう国に求める」と話した。

 福島市で野球・ソフトボールの試合が開かれる東京五輪については「復興へと歩む本県の姿を発信する絶好の機会だ。感染症対策に万全を期し、着実に準備する」との意向を示した。

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