近代製鉄の様子、詳細に 釜石で幕末期の絵図公開

公開された橋野鉄鉱山の絵図

 岩手県釜石市にある橋野、大橋両鉄鉱山の幕末期の様子を描いた絵図「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図(しほんりょうてっこうざんおやまうちならびにこうろのず)」の公開が8日、同市の鉄の歴史館で始まった。日本の近代製鉄が始まった当時の情景を詳細に伝える。9日まで。
 絵図は1860年代前半に盛岡藩主への業務報告として作成されたとみられる。鉄鉱山の鳥瞰(ちょうかん)図や高炉や水車の装置図などを収めた設備編(幅27センチ、長さ869センチ)と、採掘から製鉄に至る工程を描いた作業編(幅26センチ、長さ606センチ)の2巻で構成される。
 市世界遺産課によると、稼働中の橋野鉄鉱山の写真は発見されておらず、当時の様子が分かる唯一の資料。南部家から富士製鉄(現日本製鉄)に寄贈されたが、昨年、同鉱山の世界遺産登録5周年を記念して市が寄贈を受けた。
 これまでほとんど一般公開されたことはなかった。資料が大きく、常設展示に必要なケースがないため、今後も当面は年に数日の展示にとどまる予定。世界遺産課の森一欽課長補佐は「絵図のおかげで世界遺産になれたと言ってもいいほどだ。当時の状況が精密に描かれ、歴史的価値は非常に高い」と話した。

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