故石川裕人さんの震災劇「方丈の海」再演を CFで支援を募る

「方丈の海」初演の一場面(川村智美さん撮影)

 劇都仙台を代表する劇作家、演出家だった故石川裕人さんが、東日本大震災をテーマに創作した遺作「方丈の海」の再演プロジェクトが始動した。2、3月に仙台と東京での上演を計画する。プロジェクトはクラウドファンディング(CF)で支援を募り、新型コロナウイルス感染防止対策でかさむ経費を補いたい考えだ。
 方丈の海は、震災から10年がたつ東北の港町が舞台。映画館を営んでいた親子3人と、漁師の兄妹だけが住む浜に、震災で心が傷ついた人々がたどり着く。震災の記憶、被災地に残る喪失感や、未来への希望を表現する物語だ。
 出演は石川さんの妻で女優の絵永けいさん、野々下孝さんたち。演出は渡部ギュウさん。2012年8、9月に初演され、13年の再演に次ぐ上演となる。
 プロジェクトは石川さんゆかりの演劇人が19年夏、震災10年の節目に上演しようと結成した。そこへコロナ禍が水を差した。感染防止対策として客席を減らさざるを得ず、チケット収入は減収を覚悟しなければならない。出演者、スタッフ合わせて25人前後の移動・宿泊費もかさむため、当初企画した兵庫県尼崎市での公演は取りやめた。
 石川さんは劇団「十月劇場」を経て「OCT/PASS(オクトパス)」を主宰。宮沢賢治をモチーフにした文学的な戯曲や社会派作品など102作を発表、仙台演劇界をけん引した。12年10月に亡くなり、方丈の海が最後の作品だった。
 元オクトパス団員で、プロジェクトの制作を担当する篠谷薫子さんは「石川さんの戯曲は時代を超え、人々を勇気づける力がある。演劇人は芝居を通してしか観客にエネルギーを与えられない。今、東北から発信することが大切で、東京に被災地の思いを伝えたい」と話す。
 仙台公演は2月26日~3月7日、若林区のせんだい演劇工房10-BOX。東京公演は3月12~14日、杉並区の座・高円寺。CFの期限は2月末までで目標金額は150万円。連絡先は同プロジェクトhoujounoumi.2021@gmail.com

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