萬画館、来館350万人達成 困難乗り越え20周年に華
石巻市中瀬の石ノ森萬画館の来館者が13日、350万人に達した。東日本大震災や新型コロナウイルス感染拡大防止などによる休館を乗り越え、2001年7月の開館から20周年での達成となった。石巻市在住の男性2人による写真展も始まり、観光客らが館内巡りを楽しんだ。
350万人目になったのは、石巻市中央の三浦葵ちゃん(5)。両親の利博さん(30)と舞祐乃さん(31)、弟の薫ちゃん(3)、庵(いおり)ちゃん(1)と家族5人で訪れた。
セレモニーには運営会社の西條允敏社長とご当地ヒーローのシージェッター海斗も駆けつけ、葵ちゃんに来館証明書と記念品を贈った。家族みんなでくす玉を割り、節目を祝った。
舞祐乃さんは「年間パスポートを購入し散歩がてらよく遊びに来る。いい思い出になった」と話した。
14日まで350にちなんだ記念イベントを実施。グッズのワゴンセールのほか、700円の食事メニューを5食限定350円(税込み)で提供する。バレンタイン企画も展開している。
<「つづく展3」開幕>
震災後の石巻地方で撮影した作品を集めた「つづく展3~石巻に根っこの生えた写真家たちの写真展」が始まった。3月11日まで。
石巻市出身の渡辺裕紀さん(39)と神奈川県出身で震災後に移住したカメラマンの鈴木省一さん(43)が出展。初日は2人によるギャラリートークがあり、作品に込めた思いを語った。
渡辺さんは、震災直後から現在までの町の様子を切り取った200枚以上を展示した。11年夏の石巻川開き祭りでは、被災した門脇小校舎前から日和山越しに打ち上げ花火を撮影した。「街中で花火を撮る気分にはなれなかった」と当時を振り返った。
鈴木さんは、市内で早朝に撮影した「いしのまきのあさ」シリーズを中心に300枚以上を展示した。青色が特徴の作品について「青は命を生み出す色だと思っている」と語り掛けた。
家族と訪れた同市蛇田の阿部みどりさん(41)は「普段の街と違って見え、新鮮だった。復興を感じた」と話した。