<ペット考現学>(2)ウサギ②/大きな耳で体温を調節

大きな耳のウサギ

 前回に引き続きウサギについて書いていきます。皆さんはウサギの特徴と聞くと何を思い浮かべますか。私は授業で必ずこの質問をするのですが、多くの学生がウサギの特徴といえば大きな耳と答えます。では、あの立派な耳はどのような役割を担っているのでしょうか。

 考えてみるとまず思い浮かぶのが「集音」の役割ではないでしょうか。野生下でのウサギは食物連鎖の下位に位置するいわゆる被捕食動物(食べられる側の生き物)です。その過酷な環境の中で生き残るためにも外敵の接近をいち早く察知し、身を守る必要があります。

 そのためウサギの五感は優秀で、中でも嗅覚と聴覚は小動物の中でもとても優れているといわれています。集音器となる大きな耳は左右別々に動かすことで効果的に周囲の音を探ることができます。また、鼻の穴を頻繁に開閉する(鼻をひくひくと動かしているかわいい様子です)ことで外敵などのにおいを嗅いでいます。これらは全て生き残るために備わった、または進化した身体的な特徴だと考えられています。

 さて、この大きな耳、実は集音以外にもとても重要な役割を果たしています。それは体温の調節です。一般的に人間は汗をかくことで熱のこもった水分を体外に排出し、上昇した体温を冷ましていますが、ウサギには効率よく汗をかくいわゆる汗腺がありません。代わりにウサギは大きな耳を使って熱の放散を行っているのです。

 ウサギの耳には動静脈が走っており、そこで熱の放散をするのと同時に動静脈が外気に触れることで冷えた血液を体中に送り、体温を調節しています。とはいっても耳からの放熱による体温調節には限度があります。ウサギは寒さには比較的耐性があるといわれていますが夏の暑さはとても苦手です。また、ペットショップで販売されているウサギたちは産まれた時から空調が完備された環境下で飼育されているので、ご自宅で飼育をされる場合にはエアコンやペット用ヒーターなどの冷暖房を上手に活用して快適な環境づくりをする必要があります。

 昔は小学校などで屋外飼育されているウサギを見掛けることもありましたが(私も小学生の頃は飼育委員としてウサギのお世話をしていました)、健康に過ごしてもらうことを考えれば、屋内での飼育をお勧めします。
(仙台総合ペット専門学校教務課長・菅原学)

河北新報のメルマガ登録はこちら
ペットとの暮らし

仙台市在住の獣医師が、犬や猫をはじめ、ウサギなど小動物の飼い方を、生態や習性を踏まえて、詳しく分かりやすくアドバイスします。


企画特集

先頭に戻る