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石巻舞台の震災ドラマ、あす2本放送 「あなたのそばで明日が笑う」「ペペロンチーノ」

「あなたのそばで明日が笑う」の脚本を手掛けた三浦さん
「あなたのそばで明日が笑う」の綾瀬さん(右)と池松さん (c)NHK
「ペペロンチーノ」の草彅さん(右)と富田望生さん

 東日本大震災の被災地・石巻地方を舞台にしたNHKテレビドラマ2本が6日放送される。震災から10年を前に放送されるのは綾瀬はるかさん主演の「あなたのそばで明日が笑う」と草彅剛さん主演の「ペペロンチーノ」。両作品とも昨年、石巻市や牡鹿半島で撮影された。

 「あなたの…」の脚本を手掛けたのが劇作家・演出家・脚本家で、女川町とゆかりのある三浦直之さん(33)=仙台市出身=。作品に込めた思いを聞いた。

「あなたのそばで明日が笑う」

 「あなたのそばで明日が笑う」は、石巻市を舞台に行方不明の夫(高良健吾さん)を待ち続ける女性(綾瀬さん)が、震災を知らない建築士(池松壮亮さん)と出会い、心を通わせていくドラマ。

 3日、石巻市を訪れた三浦さんは「幼少の頃、女川町で暮らした。海がすぐ近くで、おじいちゃんが釣りが好きだった」と振り返った。

 震災当時は、東京のアパートにいた。約1カ月後、車で駆け付けた女川は変わり果てていた。「何もなくなっていた。思い出がなくなった。建物や景色とか外側にあるものと、自分の記憶が結びついていることに気づかされた」

 震災から10年。三浦さんが脚本に込めたのは過去があり、今があり、それが未来につながるという思い。「被災した女川で感じた体験が大きい。被災した人たちからも話を聞いた。消えてしまった景色を大事にしたい。震災後、石巻に移り住んで新しいことを始めようとする人たちもいる。今を起点に過去も未来も大事にしたい。そこから2人のドラマが生まれた」

 東京では劇団「ロロ」主宰。震災後、始まった「いしのまき演劇祭」に関心を示し「いつか参加したい」と話し、石巻との縁を大切にする。

 放送は総合とBS4Kで午後7時半~8時43分。主題歌をRADWIMPSが担当している。NHK制作。

東日本大震災10年 特集ドラマ「あなたのそばで明日が笑う」 - NHK

 

「ペペロンチーノ」

 「ペペロンチーノ」は、津波でレストランを失ったシェフ小野寺(草彅剛)が震災から10年の3月11日、友人を招き再建した店で特別な宴席を企画する。どん底からはい上がるまでの軌跡を群像劇で描く。

 小野寺役を草彅剛さん、妻・灯里役を吉田羊さん、潔の高校の同級生・阿部より子役を矢田亜希子さんが演じている。石巻市出身の蒼波純さんと、同市在住の齊藤夢愛さんの2人の若手俳優が出演しているのも話題。

 放送はBSプレミアムとBS4Kで午後10時半~11時半。NHK仙台放送局制作で、地域から発信するドラマ。

NHK仙台放送局 - 宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」

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