地中熱の回収、東北で初 アクアイグニス温泉棟 22年開業

地下に地中熱回収用のコイルを敷き詰めた温泉棟の建設現場

 東日本大震災で被災した仙台市若林区藤塚に2022年4月にオープンする農園、温泉、レストランの複合施設「アクアイグニス仙台」の運営会社は8日、東北で初めて導入する「地中熱回収システム」の内覧会を現地で開いた。

 温泉棟の地下3・6~4・6メートルの1650平方メートルに敷き詰めたコイルを通し、地中熱を回収する。浴室から出る湯気や排水などの熱も集め、温水蓄熱槽に熱を蓄え、浴室のシャワー水の加温や床暖房、農業ハウスの暖房などに利用する。環境省や県の補助金を活用し、約2億2000万円をかけて整備した。

 1時間に約620キロワットの回収が可能。通常は4000万円と見込まれる年間の冷暖房費用を1800万円程度圧縮できる。温泉棟で使用する熱量の半分以上を熱回収システムで賄う。放熱用の室外機がないため騒音が非常に小さく、地球温暖化の原因にもなりにくい利点があるという。

 市の防災集団移転跡地の利活用事業に建設業の深松組(青葉区)が応募。19年に「アクアイグニス仙台」整備計画を公表し、同社などが運営会社「仙台reborn」を設立した。

 両社の社長を兼ねる深松努氏は「この場所は地下水が多く、地中熱を回収しやすい。複合施設を通じ、被災者の心の復興をお手伝いできればいい」と語った。

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