宮城の6市町、津波注意報で避難指示出さず 県の指針は発令明記

 最大震度5強の地震で宮城県沿岸部に津波注意報が発令された20日、県内の沿岸6市町が県の津波対策の指針に従わず、住民に避難指示を出していなかったことが22日分かった。東日本大震災の教訓を踏まえ、指針は津波注意報の段階で避難指示(緊急)の発令を求めるが、沿岸市町村の認識と実践に大きな差がある現状が浮き彫りとなった。

 県は津波注意報から約15分後の20日午後6時25分ごろ、指針対象の沿岸15市町に避難指示の発令依頼を通知。県の調べでは石巻、気仙沼、東松島3市と利府、女川、南三陸3町が避難指示を発令しなかった。東松島市は避難勧告を出し、5市町は行政無線などによる注意喚起にとどめた。

 指針は「どのような津波であれ、危険な地域からの一刻も早い避難が必要で(中略)基本的には避難指示のみを発令する」と明記。津波は高さを問わず人命を脅かす可能性があるとして、対象区域を定めて住民の避難を促すよう要請する。

 県内では16年11月、福島県沖の地震で津波警報が発令されたが、各市町で避難勧告・避難指示の発令にばらつきが出た。この反省を踏まえ、県は17年10月、国のガイドラインにも準じて津波注意報以上で避難指示を発令するよう改訂した。

 石巻市の担当者は「市の地域防災計画で津波注意報は『注意喚起』と定めており、避難指示に至らなかった」と説明。「近年は自然災害が頻発している。基準の見直しを含めて検討したい」と述べた。

 県は22日、指針に沿った対応を目指すよう6市町に通達した。県の担当者は「指針に法的拘束力はないが、国の基準に即した説得力のある内容。避難行動は人の判断を挟まない方がいい。認識の共有に向けて今後も働き掛けたい」と話す。

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