震災ドラマ「ペペロンチーノ」 出演の石巻在住・齊籐夢愛さん語る
石巻市を舞台にした震災ドラマ「ペペロンチーノ」(NHK仙台放送局制作)に出演した齊藤夢愛(ゆあ)さん(石巻市在住)。放送後の反響にびっくり。「当たり前であること、寄り添ってくれる人がいることの大切さに気づかされる。これからも私だからこそ伝えられる芝居をしていきたい」と意を強くする。
齊藤さんは仙台市出身。2003年に芸能界デビューし東京で活動。昨年1月、結婚を機に石巻市に移住。仙台市の「ラ・ディセ」に所属、タレント・女優として活躍の場を広げている。
「ペペロンチーノ」では東日本大震災から再起をかける料理人・小野寺潔(草彅剛さん)を取材するウェブマガジンの編集者・庄司結衣香役で、ドラマの鍵を握る人物を好演した。
「撮影中、これは現実なのと緊張した」
というのも震災からちょうど10年を迎えたレストランのシーンには、草彅さんをはじめ吉田羊さん、矢田亜希子さんらがいて、同じテーブル席の向かいには実力派俳優・國村隼さんが座っていた。その中でドラマを動かす重要なセリフを言わなければならなかった。
「大事なシーン。家でも何度も繰り返し練習した。でも國村さんはじめ、みな気さくで優しかった」
撮影は昨年12月だった。
「夫から震災当時の話を聞いた。それに1年近く住んで感じたのは石巻の人たちの温かさ、パワフルさ。『がんばっぺ』と前に進む力を感じた。人とのつながりで得たものを役に生かせたらと思いながら演じた」
放送後、友人や知り合いから「頑張っているね」と声が寄せられ「とてもうれしかった」という。
「これからも石巻と全国をつなげるような活動をしていきたい」
「ペペロンチーノ」は6日、BSで放送された。意外な真相が明らかになる結末が大きな反響を呼んだ。要望に応えて19日、NHK総合で放送(東北地方のみ)された。4月17日(午後5~6時)の全国放送も決まった。