河北春秋(4/15):ペンギンの群れの中には、シャチなどの天敵…

 ペンギンの群れの中には、シャチなどの天敵が待ち受ける海へと真っ先に飛び込む1羽がいる。英語圏では、リスクを恐れず新しいことにチャレンジする勇者を「ファーストペンギン」と呼んでたたえるそうだ▼高校の国語の教科書に載る脳科学者茂木健一郎さんの評論『最初のペンギン』で知った。先が見渡せない不確実な局面で迫られる行動力と判断力。茂木さんは「創造的な人は、未知のものへの好奇心に満ちている」と記している▼昨今の高校生は先を読みづらい世の中でどんな未来を描いているのだろうか。先月、保険会社が発表したアンケート結果が興味深い。「将来なりたい職業」を全国の小中高生に聞いたところ、高校生では男女とも会社員がトップだった▼コロナ禍に負けまいと、会社ではなく自宅を職場にして頑張る親の後ろ姿が頼もしく映っているらしい。親はこそばゆいかもしれないが、悪い気はしないだろう。新型感染症に立ち向かう看護師を目指す生徒も増えている▼<判断に迷へるときは負の側に立てよと父の声からびたり>。歌人で作家の故辺見じゅんさんの一首は、もし迷ったら困っている人たちの立場に沿って考えなさいと教える。コロナ禍の社会に飛び込んでいく若い世代に大人が贈るべきは、何よりもその志。(2021・4・15) 

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

第68回春季東北地区高校野球
宮城大会 勝ち上がり表

企画特集

先頭に戻る