田中将投手の復帰戦分析 変化球主体の「メジャー仕様」で勝負か

東北楽天先発の田中将=東京ドーム(高橋諒撮影)

 プロ野球東北楽天の田中将大投手が17日、日本球界復帰後の初登板を果たした。東京ドームであった日本ハム戦に先発し、5回を投げて4安打3失点、5奪三振だった。チームは1―4で敗れ、田中将は黒星を喫した。

 田中将は一回、中田に先制の左中間2ランを浴び、二回は石井に右越えソロを喫した。三~五回以降は無得点に抑えた。「序盤、ホームランでの失点がもったいなかった」と振り返った。計75球を投げ、中田に本塁打を浴びた直球で、最速154キロを記録した。

 田中将が持つプロ野球記録の連続シーズンの連勝は28で止まった。あと一つに迫っていた日本通算100勝目は次回以降に持ち越しとなった。

 当初は開幕2戦目の3月27日に登板予定だったが、直前の練習で右ふくらはぎを痛め、3週間遅れての登板となった。

 日本での公式戦登板は、球団初の日本一となった2013年11月3日の巨人との日本シリーズ第7戦以来、2722日ぶりだった。

二回の本塁打を機に切り替え

 田中将の復帰戦での投球を日本一に輝いた2013年シーズンと昨季のデータと比較して、検証する。昨季のデータは米データサイト「ファングラフス」を引用した。

 開幕24連勝と神懸かりの活躍をした13年は直球を軸に組み立てた。ピンチの場面では、鋭く落ちるスプリットを多投して三振を奪い、乗り切る場面を多く見せた。

 14年に米大リーグに挑戦すると、直球を減らし、小さく動くツーシームを増やしてゴロを打たせる投球にシフトした。17年以降は、角度をつけた飛球を打つ「フライボール革命」の流行に対抗し、ボールゾーンに逃げるスライダーを増やした。

 持ち前の制球力を生かし、各球種をバランス良く投げ込むスタイルで、名門ヤンキースの柱として活躍。米大リーグ7年間で78勝を積み上げた。

 こうしたスタイルの変化を前提に、8年ぶりの日本復帰戦を見てみる。

 球種別に見ると、スライダーが約37%で最も高かった。これは昨季と同じ割合だ。切れも制球も良かった。田中将自身が「僕は元々スライダーピッチャー」と語るように、カウントを稼ぐ球としても、決め球としても一番信頼を置く球種といえる。

 奪った5三振の内訳はスライダー、スプリット各2、直球1だった。スプリットは8年前のような大きな落差は感じなかったが、今季も追い込んだ後の決め球として十分な効果を発揮しそうだ。

 直球は平均148・5キロを計測した。球速計の違いはあるが、昨季の92・5マイル(149キロ)とほぼ同じ。出遅れた3週間で、出力をしっかりと上げてきた。

 一方、力を込めた直球が高めに抜けたり、捕手の構えと逆方向にいったりすることが目立ち、制球は苦しんだ。本塁打にされた2球はいずれも、狙いが外れて高めに抜けた直球だった。

 一回は直球を軸にした13年に近い配球だった。二回、先頭石井に本塁打を浴びてからはスライダーを中心とした投球に切り替えた。これが奏功し、安定感が生まれた。次回以降は変化球を主体にして的を絞らせないメジャー仕様の投球がベースになりそうだ。

 「臨機応変さ」を自らの強みと語る田中将。対戦相手やその日の調子によって、投球スタイルを自在に変えられる。この日の反省を踏まえ、次回以降の登板ではどのような投球を見せてくれるか楽しみだ。
(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

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