宮城県「誰でも」、仙台市「高リスク者優先」 大規模接種で方針に差異

仙台市が接種券に同封するチラシ。高リスク者の優先予約に理解を求める

 宮城県が東北大、仙台市とJR仙台駅東口で実施している新型コロナウイルスワクチン大規模接種で、市の方針と矛盾する事態が生じている。県が7月7日以降、接種対象を全県民に拡大すると発表したのに対し、市は59歳以下に優先接種者を設定し、それ以外は予約開始の案内を待つよう呼び掛けているためだ。大規模接種は優先順位に関係なく誰でも受けられ、市民に困惑が広がる恐れがある。

 市は18日、64歳以下への接種券送付を始めた。年代別に順次発送している。このうち60~64歳、市内の学校の教職員、保育施設の従事者、基礎疾患を抱える人らは「優先接種対象者」に指定し、接種券が届けば予約手続きが可能とした。

 それ以外の59歳以下には8月中旬以降、予約手続きの開始時期をはがきで知らせるとし、大規模接種を含め予約はしばらく待つよう求めた。接種券に同封するチラシには「優先接種にご協力ください」と記載した。

 一方、県は21日に大規模接種の対象拡大を発表。接種回数を1日最大3000回に増やし、接種券を持参すれば18歳以上は誰でも受けられるとした。接種のさらなる加速化が狙いで、仙台市分の予約受け付けも28日以降は県が請け負う。

 接種券を手にした優先接種者でない仙台市民は、市の求めに応じて予約開始を待つか、いち早く大規模接種を受けるか、正反対の二つの選択が可能になる。

 県によると、対象拡大は市と事前に協議した。市は「優先接種対象を決めている。これでは整合性が取れず市民に説明できない」と訴えたが、県は「優先対象は市町村ごとに違う。それぞれに対応できない」と理解を求め、全県民とした。

 県大規模接種センター運営チームの丹野貢誌班長は「今は接種の加速化に重点を置く。市町村が優先順位を重視するなら、それぞれ住民にアナウンスし、優先順位に沿った行動をしてもらうしかない」と話す。

 仙台市ワクチン接種推進室の横野幸一郎室長は「感染リスクの高い人に、いち早く接種してほしいと優先接種対象を定めた。ぜひとも協力してほしい」と市民の理解に期待を寄せる。

河北新報のメルマガ登録はこちら
新型コロナ関連

企画特集

先頭に戻る