気になる症状 すっきり診断(103)胸痛が繰り返し起こる/要注意 狭心症の疑いも

イラスト・叶  悦子

◎循環器内科長 安田 聡 教授

 年齢とともに血管は傷つき、その機能が低下し、しなやかさも失われてきます。動脈硬化とは、血管の老化とも言えます。年齢以上に血管の老化を進める因子としては、肥満、高血圧、糖尿病(血糖が高い状態)、脂質代謝異常(中性脂肪やコレステロールが多い状態)など、多くの要因が関係しています。

■動脈にプラーク

 動脈硬化は、肌のしわやしみなどの老化現象と異なり、外からは分かりません。気付かないまま動脈の壁にプラークと呼ばれるコレステロールや脂質などが蓄積した病変が、心臓に栄養を送る冠動脈まで進行し、血液の流れが悪くなる結果、ある日突然、狭心症や心筋梗塞と呼ばれる心臓発作を引き起こすのです。

 狭心症の症状は、痛みの部位や性状、誘因、持続時間などに特徴があります。部位は前胸部や胸骨後部が多く、痛みが下顎、首、左肩または両肩、みぞおちに出現する場合があります。また、呼吸困難、めまい、意識消失、吐き気、嘔吐(おうと)、冷や汗を伴う場合があります。これらの随伴症状があるときには一般に重症であることが多く、より注意が必要です。胸痛は数分程度、長くても15~20分であることが一般的です。30分以上持続する場合は、より重症の心筋梗塞に移行しつつある病態が疑われます。

 急ぎ足、階段を上る、重い物を持つなどの動作中ばかりではなく、血管のけいれんが関係する場合には安静時にも出現することがあります。前者は活動性が高い日中に、後者は朝方や深夜就寝中などに起こりやすいという特徴があります。

■心筋梗塞に移行

 狭心症の中には、重症の心筋梗塞に移行しつつある不安定狭心症という病態があります。先に説明した狭心症状が(1)1~3週間以内に初めて起こった場合(2)頻度・強さ・持続時間が増大し、容易に出現しやすくなった場合(3)安静時に胸痛発作が出現するようになった場合-の3タイプが該当します。

 心筋梗塞は、冠動脈の血流がほとんど止まって通じなくなり、酸欠・栄養不足から心筋の一部が壊死(えし)に陥るほど悪化した状態をいいます。従って、狭心症の段階で診断ができ、治療することがとても重要です。普段はない症状が繰り返し起きる、あるいは長く続くような場合は、胸痛に限らず身体からの黄色信号かもしれません。普段からご自身やご家族の体調管理をする際、症状の変化に気を配ることが大事です。

 東北大病院循環器内科では、これまで蓄積した経験と最先端の機器を導入し、患者さんの負担の少ない診断・治療に積極的に取り組んでいます。ぜひ、遠慮なくご相談ください。

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