◎東北大病院 冨永悌二 院長
日頃感じる体の不調について、東北大病院の専門ドクターが解説する「気になる症状 すっきり診断」が今回で100回を迎えた。高齢化が進む中での健康管理の在り方や、同病院が果たす役割について冨永悌二病院長に聞いた。(生活文化部・浅井哲朗)
■血管の病気注意
-2017年3月から毎月2回、専門医が疾患ごとに注意すべき症状を分かりやすく解説してくれる。
「健康意識が高まり、多種多様な媒体からの発信があふれている今、正確で分かりやすい情報を提供するのがわれわれの務めだ」
-健康のために気を付けなければならないことは。
「病気を患う前の『0(ゼロ)次予防』の考え方だ。塩分の制限や禁煙、適度な運動など、自ら生活習慣を管理し、危険因子を減らす努力を続けてほしい」
「実年齢より若々しい高齢者が増え、90歳でも驚くほど活発な人もいる。同年代でも個人差が大きい時代になるだろう。平均寿命だけでなく、健康寿命をいかに延ばすかが大切になる」
-特に注意すべき疾患は。
「日本人の死因の第1位はがんだが、75歳以上になると脳卒中、心臓病などの血管疾患に置き換わる。それだけ加齢により血管の病気が増えることを知ってほしい。主な原因となる動脈硬化を防ぐために、血圧に配慮した食事や運動の習慣化が求められる」
「誰しも『寝たきりになって家族に迷惑を掛けたくない』と願うものだ。脳卒中と心臓病は体が不自由な状態に直結し、長く生活に支障を来す。国は2018年に循環器病対策基本法を成立させ、対策を進めている」
■個別化医療進む
-東日本大震災から10年。東北大病院は東北の地域医療をどうけん引するのか。
「被災地で生まれた遠隔診療のニーズに応えるなど、地域の中核病院と連携し、医療過疎地でも専門医療を受けられる環境の充実を図っている。院内に設置した地域医療復興センターを中心に、若い医師の派遣に努めている」
-東北大病院が手掛ける最先端医療の見通しは。
「個別化医療の進展で、効果的かつ副作用の少ない治療を選択できるようになってきた。健常者のDNA試料などを集めた東北大の東北メディカル・メガバンク機構の蓄積と合わせ、患者の遺伝子情報を集めたビッグデータを活用し、各個人に最適化した『テーラーメード医療』を前進させたい」
-新型コロナウイルスの波が繰り返し起こっている。
「昨年の第1波当初から宮城県はホテルなどの隔離施設を多く確保し、常駐する医療スタッフによるケアや、早くから医師が参加する入院調整などで、死亡率を全国最低レベルに抑えている。症状に応じた隔離施設の役割分担や、主要病院の密な連携によって何とか医療崩壊を防いでいる」
-ウィズコロナの意識改革の必要性は。
「変異株によって子どもの感染も増え、いつでも、どこでも、誰でも、感染が起こり得る状況だ。コロナで医療が逼迫(ひっぱく)すれば、大切な人の命を救えなくなるかもしれない。月並みだが日頃の手洗い、マスク着用、人と十分な距離を確保することを心掛けてほしい」
とみなが・ていじ 東北大卒。東北大大学院医学系研究科神経外科教授。同大病院副病院長などを経て2019年から現職。福島県矢吹町生まれ。63歳。
「健康講座」では、宮城県内各医師会の講演会や河北新報社「元気!健康!地域セミナー」での講座内容を採録し、最新の医療事情と病気予防対策を分かりやすく伝えていきます。リレーエッセー「医進伝心」もあります。
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