河北春秋(7/8):「昭和の怪物」の美学だったのだろう。「10…

 「昭和の怪物」の美学だったのだろう。「10年はどうしてもやりたかったし、ドーム球場で投げてもみたかった。しかし、これが自分の出した結論」。元プロ野球巨人投手の江川卓さんは右肩がボロボロであることを告白して引退した▼「平成の怪物」も右肩の故障と闘い続けた。西武の松坂大輔投手。今季限りで引退する。甲子園大会の春夏連覇、プロ入り後の名勝負はファンを魅了した▼ルーキーイヤーが鮮烈だった。初登板で投じた直球は155キロをマーク。「自分のマックスが出そうだなっていう感覚はあった」。オリックスのイチローさんとの初対決は3打席連続で三振を奪い、「自信から確信に変わった」と名ぜりふを残した▼大リーグからソフトバンクで日本復帰後、初登板は仙台での東北楽天戦だった。1回5失点。うつむいてマウンドを降りた。自分に「リベンジ」を誓ったに違いない。中日で投球スタイルを変えて6勝を挙げた▼野村克也さんが『プロ野球怪物伝』に記した。「150キロは投げられないが、スピードよりコントロールを意識するようになったようだ。(中略)かつての怪物がいかなる変貌を見せてくれるのか、私は楽しみにしている」。ユニホームを脱ぐ希代のエース。野村さんならどんな言葉を掛けるだろうか。(2021・7・8)

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