河北抄(7/12):1400年ほど前に描かれた「笑顔」が、東…

 1400年ほど前に描かれた「笑顔」が、東日本大震災からの復興を後押しする。宮城県山元町の合戦原遺跡で見つかり、町歴史民俗資料館に移設、展示されている線刻壁画。弓を入れる靫(ゆき)や鳥などの多彩な図柄の中に、笑っているように見える人の顔がある。

 壁面は高さ約1・5メートル、幅約3・8メートル。7世紀後半~8世紀前半に造られた横穴墓の奥壁だった。長らく山林の中にうずもれていたが、震災の復興事業に伴う調査で、2015年5月に偶然発見された。少しゆがんだ円に目と口を線で刻んだ人の顔は、目尻が下がっているように見え、愛嬌(あいきょう)たっぷり。現代に溶け込み、「せんこくん」の名前でキャラクター化され、同館のPRも担う。

 せんこくんの生みの親で学芸員の山田隆博さん(41)は「震災によって見つかった貴重な壁画。一緒に全国に発信し、山元に多くの人を呼び込みたい」と、新たな誘客策を検討中。18年11月の展示開始後、子どもからお年寄りまで、来館者の年齢層が広がった。被災地に現れた壁画から笑顔あふれる未来図が描かれる。

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