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女川原発・非常用装置の計画外作動 原因は作業の確認不足

計画外作動の原因を説明する女川原発の若林所長(左)ら

 東北電力は21日、女川原発2号機(女川町、石巻市)で16日、事故発生時に放射性物質を除去し、外部への影響を低減させる非常用装置が計画外で作動した問題で、作業内容の確認不足が原因だったと発表した。

 東北電によると、2号機の安全対策工事に伴う配管工事で、溶接部などの欠陥の有無を確認する放射線透過試験を実施したところ、近くのモニターが放射線を検知。建屋内の気圧を下げ、放射性物質をフィルターで除去する非常用ガス処理系が作動した。

 試験に合わせてモニターに信号を発信させない隔離処置をしていなかったことが原因。運転管理の担当部門が、作業内容を記した書類を十分に確認していなかった。

 再発防止策として、今後は隔離処置の有無を書類のファイルの色で識別できるようにし、勤務開始時のミーティングでも確認する。若林利明所長が石巻市役所で説明し、「再発防止を徹底し、安全確保に取り組む」と語った。

 若林所長は12日に2号機制御建屋で協力企業の作業員7人が硫化水素を吸い込み、中毒症状を訴えた事故についても触れ、「地域の皆さまに心配をお掛けし、心からおわびする」と陳謝した。石巻労基署が調査しており、原因が分かり次第、再発防止策をまとめるという。

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