河北抄(8/12):高さ3メートルの板から、あるいは10メー…

 高さ3メートルの板から、あるいは10メートルの台上から、鍛え抜かれた肉体が空中へ飛び出す。クルクルッと、ひねって回って青いプールへ。入水の瞬間は「敵だか味方だかわからない水に抱かれる快感」だという。飛び込み競技を描いた森絵都さんの小説『DIVE!!』にある。

 東京五輪では40歳、五輪6回目、寺内健選手に魅了された。解説者によると「各国コーチが撮影するほど基本に忠実で美しい演技」。彼が全ての飛び込みを終えると、誰もが立ち上がって拍手を送った。今大会、印象に残る場面の一つだ。

 国内の競技人口は500人。18人がベンチ入りする高校野球なら28校分に満たない。宮城県は8人。県高校総体では2年連続して出場者がなかった。練習拠点が県総合プールに限られるなど、特有の厳しい環境が背景にある。

 「何とかしたい」と、指導者である白石工高の笠井学教諭(50)。寺内選手と戦ったこともある元選手だ。今回、予選、決勝と競技がたっぷり放送され「うれしかった」。興味を持った子どもがいるかも。流れを味方に付けたい。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る