河北抄(9/14):はくちょう座の「白鳥の停車場」からみなみ…

 はくちょう座の「白鳥の停車場」からみなみじゅうじ座の「南十字」まで、1700光年の距離をわずか4時間。銀河鉄道の旅は光速を超えていた。「いまこそわたれわたり鳥」の鳥の群れは、天の川銀河の円盤を横切るように垂直方向からやって来る高速度星かガス雲と考えられる。
 天文学者の谷口義明さんは、著書『天文学者が解説する宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と宇宙の旅』で、賢治の名作に研究者の視点からアプローチした。100年も前に書かれた文章なのに、「現在の天文学で解釈できることがあまりにも多い」と驚く。
 賢治の作品は色あせない。東京五輪の閉会式では、『星めぐりの歌』がフィナーレを飾った。東日本大震災からの復興の思いを込めた演出という。思えば震災の日の夜も星が輝いていた。賢治が生きていたら、どんな物語を紡いだだろう。星空を眺めながら想像してみようか。
 宮城県俳句協会編『十年目の今、東日本大震災句集 わたしの一句』から。<冬銀河友は十年星に住み>

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