河北春秋(10/4):昭和世代にとっては、いまだにしっくりと来…

 昭和世代にとっては、いまだにしっくりと来ない移動祝日がある。昨年、「体育の日」から名称が変更された「スポーツの日」。1999年までは、64年の東京五輪開会式があった10月10日に固定されていたので、法改正により10月の第2月曜日となったことを、つい忘れがちだ▼しかも、今年は東京五輪の開催に合わせた臨時の法改正で開会式当日の7月23日に移動した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で五輪の1年延期が決まった昨年も同様の措置が取られたため、2年続けて10月唯一の祝日がない▼本来の暦ではない上に、秋の国体もコロナ禍で昨年に続いて中止に。東北総体などで頑張って国体出場権を得た選手たちの活躍の場がなくなってしまった。五輪開催年で、「スポーツの秋」だというのに…▼歌人の宮柊二(1912~86年)は、晩年の10月10日に<晴れわたる体育の日も運動をなし得ずなりし我をかなしむ>と詠んだ。病で自由が利かない身の上であっても、前回の東京五輪開会式当日の抜けるような青空を思い浮かべた▼10月の祝日は、昔も今も、国民の健康と活力を象徴する。来年のスポーツの日は、なじみの深い10月10日。その頃にはコロナの感染が収束し、スポーツの秋を満喫できるようになっていることを切に願う。(2021・10・4)

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