河北春秋(10/5):今回の組閣に臨む首相の姿勢、手順、段取り…

 今回の組閣に臨む首相の姿勢、手順、段取りは異例かつ異様であり不満だ-。野党の反発ではない。身内の自民党から出た辛辣(しんらつ)な批判である▼1982年秋に発足した第1次中曽根康弘内閣。20閣僚のうち6人が最大派閥の田中角栄派。要の官房長官や蔵相の重要ポストを占めた。中曽根派からの起用はたった2人で「田中曽根内閣」とやゆされた▼冒頭の異論は非主流派が表明した。組閣を一時中断に追い込み政権発足が1日遅れたというから驚く。リベラル派と右派の間で政権の振り子が揺れて「疑似政権交代」があった時代。いまの自民党には全く感じられないエネルギーだ▼きのうスタートした岸田文雄内閣。どこか「田中曽根」に似ている。「AA(安倍晋三氏、麻生太郎氏)同盟」の細田派と麻生派からの起用は計7人。官房長官や財務相に据えた。自派閥からは3人だけ。「冷や飯組」が不満たらたらなのは今も昔も変わらないが、かつての非主流派のように丁々発止とやり合う活力はもはやないようだ▼人事を巡っては派閥領袖(りょうしゅう)らに配慮しつつ言いなりではないとの評価があるという。「特技は人の話をよく聞くこと」でも、丸のみはしないということか。政界きっての酒豪にお願いしたい。「新しい酒は新しい革袋に盛れ」の実践を。(2021・10・5)

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る