衆院選・宮城5区 候補者の横顔 安住淳氏、森下千里氏
19日公示された衆院選で、宮城5区には、立憲民主党前議員の安住淳氏(59)と自民党新人の森下千里氏(40)=公明推薦=が立候補し、支持拡大を競う。投開票は31日。
両候補の横顔と決意を紹介する。
安住 淳氏(59)〔党国対委員長 立前(8)〕
<格差是正し地域再生>
衆院議員在職25年で表彰されたベテランだが、気持ちは18歳の時と変わらないという。政権交代できる二大政党制の実現を目指し、巨大与党と長年、対峙(たいじ)してきた。
「自民党に挑んでは負け、失敗と挫折を経験した」が、逆境もモチベーションに変え、世襲議員の多い永田町で与野党を問わず存在感を示す。
衆院選では「弊害が多い1強政治、格差を広げたアベノミクスを終焉(しゅうえん)させる。与野党が伯仲してこそ、政治に緊張感が生まれる。格差是正なくして地域の再生なし」と対決色を強める。
東日本大震災後、民主党政権で財務相を務め、復興に尽力。JR仙石線の復旧や石巻市立病院の再建などで職責を果たした。10年が経過した古里について「復興は道半ば。一人も取り残さないで最後までやり遂げる。復興公営住宅のコミュニティーも再興したい」と力を込める。
新型コロナ対策では市中感染を防ぐためJR仙台駅や薬局でのPCR検査の実施を提唱。「ワクチンの3回目接種や治療薬の開発を急ぎ、来年はインフルエンザ並みに感染を抑え、肺炎による命の危機にさらされることのないよう、注力する」と訴える。
趣味は読書とゴルフ。息抜きは1歳5カ月の雌猫と一緒にいること。
森下 千里氏(40)〔元会社代表 自新(公推)〕
<感染対策や女性支援>
「幸せをかたちに」をスローガンに掲げ、新型コロナウイルス対策や女性支援、子育て環境の整備を主な政策に、初の国政選挙に臨む。フットワークの軽さを生かし「自分が今できることを一生懸命やる。被災者の心のケアもしっかりしたい」と市民の声に耳を傾ける覚悟だ。
2002年に故石ノ森章太郎さん原作の「仮面ライダー龍騎」で女優デビュー。「石巻とは縁があるな」と感じていた。東日本大震災後は炊き出しボランティアなどをしたり、友人から被災地の現状を聞いてきた。
今春、自民党宮城5区支部長になると、6月からはハンドマイク片手に「つじ立ち」に力を入れてきた。これまで街頭に立った回数は1600回を数える。柔らかさを表すイメージカラーのピンクのサンバイザー姿が定着。「手を振り返すドライバーや声を掛けてくれる市民も増えた」と手応えを口にする。
実現したい政策について、住民の健康寿命を延ばす公衆衛生分野も挙げる。タレント活動の中で地方での仕事も多く、その土地ごとの特色や住民の魅力を肌で感じてきた。「移り住んできた立場の視点も加えて、宮城5区を発信していきたい」と意欲を見せる。
息抜きは猫と遊ぶこと。ゴルフはベストスコア78の腕前。ティーチングプロの資格も持っている。
■遊説日程(21日)
【安住陣営】
▽選挙カー=東松島市赤井北、鹿島台竹谷、松島、三本木、小牛田青生、大崎市田尻、涌谷町、石巻市河南
【森下陣営】
▽選挙カー=女川魚市場、北浦、清水、鷲神、まちなか交流館前、小乗、牡鹿、万石浦、流留、さくら町、渡波町、鹿妻、湊、中央