青森1区、区割り変更で攻防変容 「初陣」対「地盤」火花

衆院選 ドキュメント東北(4)

候補者に拍手を送る有権者=23日、青森市

 当選7回ながら「初陣」となる前議員と、6度目の挑戦で初勝利を目指す元議員が火花を散らす。

浸透不足補う

 公示日の19日、青森市浪岡地区。「1年坊主に力を与えてほしい」。自民党前議員の江渡聡徳が街頭で声を張り上げた。

 南部地方の十和田市出身。前回2017年から青森県の定数が一つ減り、強固な地盤を誇った十和田、三沢両市は2区に編入された。1区からの出馬を目指したが、候補者調整で比例東北に転出。津軽地方は初めて攻め入る戦場となる。

 街頭演説後の個人演説会は空席が目立った。「顔が知られていないから仕方がない。もう少し人を入れたかったが…」。戦いに向けて慌ただしく設立された地元後援会の幹部が話した。

 浸透不足を分厚い組織が補う。県議や市町村議が党支持者との橋渡し役を担い、首長もマイクを握る。「浮動票は当てにしない」と陣営幹部。江渡は与党の実績と防衛相などを務めた政治経験を前面に押し出す。

 コスタリカ方式で比例東北に転出した自民前議員津島淳は、有権者の7割を占める大票田・青森市を中心に別部隊でミニ集会を重ねる。「津島と書かずに江渡と書いて」と呼び掛ける。

労組気掛かり

 「青森に住んで15年。骨を埋める覚悟だ」。22日、青森市郊外の大型店駐車場。立憲民主党元議員の升田世喜男は、江渡の出身地を意識し、「津軽の男」であることを強調した。

 津軽半島の先端にある旧小泊村出身。村議3期、県議2期を務めた。社会福祉法人の幹部から国会議員に転じた江渡との違いを際立たせようと、こうも語った。「地方議員を経験したからこそ、地域の声を国政に届けられる」

 参院選1回も含め、国政挑戦は7回目。14年衆院選で維新の党から立って比例復活したものの、希望の党から出た前回は落選した。「風頼み」からの脱却を目指し、つじ立ちや支持者回りなど「どぶ板」を徹底し、名前を売り込んできた。

 気掛かりなのは労組との関係だ。「原発に依存しない社会」を掲げる党の原子力政策は、県内で影響力を持つ電力労組との距離を遠ざける。升田は原発に関する訴えを控え争点化を避ける戦術を取るが、「一枚岩になりきれない」と連合青森幹部はため息を漏らす。

 共産党新人の斎藤美緒は賃金格差の是正や子育て支援の拡充などを訴え、党勢拡大を図る。
(敬称略)

【青森1区立候補者】
江渡 聡徳 66歳 自前⑦(公推)
升田世喜男 64歳 立元①
斎藤 美緒 41歳 共新 

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