Z世代は私たちだけ? 宮城県知事選の街頭演説をのぞいてみた

<選挙に行こうZ!!>Z世代と考える低投票率(3)

 自分の名前が大きく書かれたたすきをかけ、握りしめたマイクに向かって支持を訴える候補者。選挙で最もなじみ深いと言ってもよい街頭演説は、選挙権を得たばかりの20歳前後の「Z世代」の大学生の目にどう映るのか。
(編集局コンテンツセンター)

支持者や報道関係者に交じり、候補者の第一声を聞く蜂谷さん(右)と平林さん=14日午前9時30分ごろ、仙台市青葉区

「前座」7人で30分以上

 宮城県知事選(31日投開票)が告示された14日、新人の長純一氏(55)が仙台市青葉区の東二番丁通で行った第一声に、大学生の有志による「選挙に行こうZ!!」メンバーの蜂谷和輝さん(21)=宮城大4年=と平林由里香さん(19)=仙台青葉学院短大2年=が足を運んだ。

 午前9時ごろにスタートした第一声は、陣営の幹部や支援団体、県議らの「前座」が7人も続いた。9時半すぎにようやく登場した長氏は、それから20分近くにわたり演説。選挙権を得てから今回が2度目の選挙の平林さんは「一人一人の話が長く、重要なことや本当に言いたいことが何なのか分かりづらかった」と振り返った。

 第一声の最中、選挙カーの足元で運動員数人が手を動かしていた。「何をしているの?」。答えは会場で陣営が配ったビラの右下にあった。

 宮城県知事選のビラは選挙区の規模によって候補者1人当たり17万5000枚までと決められている。枚数を間違えないよう、公選法に基づきビラには県選管発行の証紙を1枚ずつ貼らなければならない。証紙は立候補を届け出た後でないともらえず、その場で貼るしかないのだ。

盟友なのに応援できない

 地方議員の事務所でインターンシップをした経験のある蜂谷さんは23日、現職の村井嘉浩氏(61)が白石市内で行った街頭演説にも駆け付けた。会場には、知事選と同じ31日に投開票される衆院選の宮城3区に立候補している前議員の姿もあった。

 約70人の聴衆を前に「○○先生には大変お世話になっている」と前議員を持ち上げてみせた村井氏。司会役を務めた県議が「知事選の(選挙カーに付いた)マイクではこれ以上言えません。忖度(そんたく)してください」と語ると、会場から失笑が漏れた。

 公選法上、選挙活動で使える自動車や拡声器はあらかじめ台数が決められ、選管が発行するのぼりを付ける必要がある。村井氏の街頭演説会場では前議員への投票を呼び掛けることができず、歯切れの悪い演説に終始したのだった。

 「村井氏と前議員が親しい関係にあることはみんな知っているし、互いに投票を呼び掛け合うのはむしろ自然なことではないか」と蜂谷さん。「選挙制度が実態に即していない」と首をかしげた。

蜂谷さん「親の世代と選挙の話をしないと」

 2人の候補者の話し方や性格が出ていたし、陣営に誰が加わっているのか、どういう人が支持しているのかも知ることができた。一票を投じる前に生の声を聞けてよかった。

 ただ、街頭演説の会場に同世代はほとんどいなかった。平日の午前中に学生や一般の会社員が出向くことは難しいし、週末だとしても事前に開催を知らせてもらえないと急には集まれない。もっと聞く人のことを考えてほしい。

 同世代はそもそも、選挙への関心が薄い。実際、幅広い世代の人が歩いている場所でも、足を止めて演説に耳を傾ける人は少なかった。親の世代と選挙の話をするなど、コミュニケーションを取る必要があると感じている。
(宮城大4年・蜂谷和輝)

平林さん「支持者の熱量に付いていけない」

 平日ということもあってか、年配の聴衆が多く、演説に合わせて「そうだそうだ」という掛け声が飛び交っていた。選挙に参加して間もない世代は、輪に入りづらい、支持者の熱量に付いていけないように感じた。

 街頭演説は難しい話をしていると思っていた。通り掛かり、あるいは友人と遊びに出かけたときに一緒に聞こうとはならなかった。

 実際に耳を傾けると、政策を詳しく説明していて分かりやすい。ただ、長々と話している印象を持った。例えば重点をまず打ち出し、5分だけでも聞けるような工夫をしてもらえるといい。
(仙台青葉学院短大2年・平林由里香)

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