東北の野党共闘、濃淡くっきり 来夏参院選へ戦略立て直し急務

秋田2区で初勝利を飾り、笑顔を見せる緑川氏(中央)。小選挙区の戦いでは候補者の一本化が奏功した=10月31日、大館市の事務所

 10月31日投開票の衆院選では、東北6県で野党共闘の温度差が浮かび上がった。立憲民主、共産両党を軸に候補者を調整し、公示前を2議席上回ったものの、政策の違いや地域事情から連携には濃淡があり、共闘に疑問や抵抗感を抱く声も。野党関係者は来夏の参院選に向けて戦略の立て直しを急ぐ。

安住氏「態勢維持を」

 立民の枝野幸男代表は2日、衆院選敗北の責任を取って辞任する意向を表明した。立民宮城県連が3日に仙台市内で開いた常任幹事会で、安住淳代表(宮城5区)は「共闘しなければ2区は届かなかった。態勢を維持して参院選に向かった方がいい」と訴えた。

 立民県連と共産党県委員会は衆院選で政策協定を結び、立民が1~3区と5区、共産が4、6区に候補を擁立した。2、5区は自民党に勝利し、1区も比例代表東北ブロックで議席を得た。共産県委員会の中島康博委員長も「この道しか自公に勝てない」と共闘継続を明言する。

 東北の野党は秋田、福島両県でも事実上の候補者一本化を全選挙区で成立させた。秋田2区で初勝利した立民秋田県連の緑川貴士代表は「組織力で勝る相手と戦うには一対一の構図をつくるのが大前提」とした上で、「野党は反対ばかりしているとのイメージを持たれ、国会での取り組みや訴えが浸透していなかった」と反省する。

 福島は1~4区の立民候補が選挙区と比例東北で当選。5区で落選した共産新人の熊谷智氏は「共闘の説得力を持たせるには時間も伝える技術も足りなかった」と悔やむ。

 共同通信社が1、2の両日実施した電話世論調査によると、衆院選で統一候補を擁立した5野党の共闘関係について「見直した方がいい」との回答は61・5%に上った。

高橋氏「共闘は発展途上」

 東北の立民候補の一人は「二大政党制を目指す上で共闘は必要だが、共産との閣外協力は中途半端で分かりづらかった」と指摘する。連合関係者も「各党の考えに違いがあるのは当然で、立民と共産の距離感も大事だ」と改善を求めた。

 青森、岩手、山形3県は一部選挙区で立民や野党系無所属の候補と共産候補が競合。青森、山形は自民の独占を許し、岩手は自民に1勝2敗と負け越した。共産の高橋千鶴子議員(比例東北)は「青森1区は原発問題を理由に一本化できなかった。県内の野党共闘は発展途上」と振り返った。

 山形は1区の立民新人、2区の国民民主党新人を野党統一候補に据えたが、連携は鈍かった。2016、19年の参院選、今年1月の知事選と全県選挙で野党系候補が自民に3連勝した勢いを生かせず、国民政調会長の舟山康江参院議員(山形選挙区)は「政治に不満を持っている人をどう引きつけるかが弱かった。成果と課題をしっかり分析したい」と巻き返しを期す。

 「野党共闘の源流」を自任する岩手。公認争いが長引き、孤立状態での戦いを強いられた階猛議員(岩手1区)は「大変な思いをしたが、野党がまとまっていくべきだというスタンスに変わりはない」と語った。

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