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坊っちゃん列車で城下を巡ろう 特集/ 愛媛・松山の旅 vol.1

 仙台空港を拠点とするアイベックスエアラインズ(東京)が開設した仙台̶愛媛・松山線は、当初運航予定(10月30日まで)を延長して冬季(来年3月26日まで)も運航を継続することになった。仙台から遠く感じる松山も、飛行機ならば1時間40~45分。瀬戸内海に面し、冬も暖かい松山の文化や歴史に触れ、グルメを楽しんでみよう。

愛媛県観光物産協会 横山愛香さん
 「日本最古級の道後温泉、伊達家ゆかりの宇和島城など愛媛には魅力的なスポットが満載。鯛めし、じゃこ天などグルメも堪能してください」

愛媛の観光情報サイト

難攻不落の松山城

敵を阻むための多くの仕掛けが施された松山城

 松山市中心部、勝山山頂にりりしくそびえる松山城。江戸時代以前に建てられた天守が今も残る「現存十二天守」の1つで、21棟もの国の重要文化財を有する。現地に着いたら、まずは桃山文化様式を究めた城郭や石垣の美しさを目に焼き付けて。城内では、敵の侵入を阻んだり奇襲したりするための数々の仕掛けを探しながら、難攻不落の名城の魅力を深掘りしよう。天守に上れば、松山平野から瀬戸内海、本州まで見渡せる絶景がお出迎えしてくれる。

 麓からロープウエーやリフトに乗れば8合目の長者ケ平駅まで楽々到着。ウオーキング気分で歩いて登るのも楽しい。

所在地/松山市丸之内
天守観覧料/大人520円、小学生160円
問/松山城総合事務所 TEL089-921-4873

坊っちゃん列車で城下を巡ろう

 「乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ」

 小説「坊っちゃん」の一節に登場する汽車は実在し、明治から昭和半ばまで活躍した。市民はいつしか「坊っちゃん列車」と呼び、親しんだそう。電化により姿を消したが、市民の熱意を受け2001年に復活。観光名所を結んで走っている。

 文学ファンの人気スポットの1つが「坂の上の雲ミュージアム」だ。停留所から徒歩2分。司馬遼太郎による同名小説に登場する秋山真之ら主人公3人は松山出身。明治の日本の姿がよく分かる資料は見ごたえがある。

産経新聞に連載された小説を展示した「坂の上の雲ミュージアム」の壁

伊予鉄道
問/TEL089-948-3323

坂の上の雲ミュージアム
所在地/松山市一番町3-20
問/TEL089-915-2600

日本最古級の温泉 道後温泉

保存修理工事前の道後温泉本館

 日本書紀や万葉集にも記された日本最古級の名湯。3つの外湯の中でも、築120年超の道後温泉本館は情緒たっぷりで、建物全体が国の重要文化財だ。現在は、2024年末までの予定で保存修理工事を行いながら営業している。単純アルカリ泉の源泉掛け流しで、肌がすべすべになるという。

所在地/松山市道後温泉湯之町5-6
問/道後温泉事務所 TEL089-921-5141

四国の霊場 菩提へ一歩

見どころが多い石手寺

 1200年以上の歴史がある四国遍路。88カ寺のうち愛媛県にあるのは26。松山市内の札所は46番から53番までの8カ寺で、ご利益石が多数ある浄瑠璃寺、一遍上人が修行した繁多寺など名刹が遍路を迎える。比較的札所間の距離が近く、観光途中に訪ねやすい。

 51番札所の石手寺は道後温泉に近く、観光客でにぎわう。広い寺域には国宝の仁王門や国の重要文化財の本堂など見どころが多い。

仙台‒松山線 東北と四国直結

 アイベックスエアラインズの仙台̶松山線が就航したのは今年7月。東北と四国を結ぶ唯一の直行便だ。機材はCRJ700(定員70人)。

 運航は1日1往復。11月30日(火)までは8:10仙台発、9:55松山着と、19:45松山発、21:25仙台着。12月1日(水)からは仙台発、松山着の時刻は変わらず、松山が10:25発、12:05仙台着に変更される。運航期間は3月26日(土)までの予定。機材繰りの関係で運航しない期間がある。

 運賃は片道4万130円、往復の片道分は3万6130円。最安値(45日前までの予約)は1万円からで、割安感たっぷり。詳細はアイベックスのWEBサイトで。

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Written by 鶴岡 彩
(河北ウイークリーせんだい 2021年11月11日号掲載)

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