仙台と愛媛の縁 特集/ 愛媛・松山の旅 vol.3
東北帝大在籍 悲運の俳人 松野町・芝不器男(ふきお)記念館
昭和初期の俳壇に彗星のように現れ、将来を嘱望されながらも病気で早世した芝不器男(1903~30年)。愛媛県松野町出身で、東北帝大で学んだ。
学生時代に下宿していた若林区連坊の瑞雲寺には、松野町が建てた不器男の句碑がある。
あなたなる夜雨の葛のあなたかな
26年に俳誌「ホトトギス」で入選し、高浜虚子に激賞された句だ。
愛媛から仙台に向かう途中で見た葛の花。古里は花が咲いていたどこかの山よりも遠い。そんな心情を詠んだとされる。
松野町は不器男の生家を記念館として保存。館内には不器男の日記帳などが展示されている。
所在地/松野町松丸258
問/TEL0895-42-1584
宇和島から分社 一番町に和霊神社
仙台藩祖伊達政宗の長男・秀宗が1614(慶長19)年に宇和島藩祖になった縁で、仙台市と宇和島市は姉妹都市になっている。
宇和島市中心部に大きな鳥居を構えるのが、四国屈指の大社・和霊神社。藩制初期に秀宗の下で産業の拡充、民政の安定に手腕を発揮した山家清兵衛を祭神とする。
青葉区一番町のアーケード街に面するファッションビル「仙台フォーラス」屋上にも和霊神社がある。清兵衛の子孫、豊三郎が明治維新後、東一番丁通にあった自宅敷地に和霊神社を分社した。現在は商店街活性化の願いが込められている。
仙台フォーラスの担当者は「ときどき参拝者が訪れ、手を合わせていきます」と教えてくれた。
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Written by 鶴岡 彩
(河北ウイークリーせんだい 2021年11月11日号掲載)