<東北の本棚>古き良き青春時代回顧

78歳、気ままなエコロ爺/グリーン雲野 著

 題名から環境保護論やリサイクル術を紹介する本なのかと思いきや、実は全く関係ない。元東北放送アナウンサーで駄じゃれ好きの好々爺(や)が、古き良き青春時代や、マニアックな趣味の世界をつづったエッセーだ。

 樺太(現サハリン)生まれ、北海道育ちの著者が、学生時代に過ごしたのが東京・渋谷。19円の銭湯に通い、60円の名画座で名作鑑賞に明け暮れた。駅員が手作業で切符を予約していた当時は、帰省の特急切符を入手するのに窓口で2、3時間並んだという。「ノスタル爺(じい)」を感じさせるエピソードだ。

 「1日72時間欲しい」と豪語し、一眼レフカメラ、鉄道旅行に昭和歌謡収集と尽きない好奇心には脱帽だ。「痛いから目に薬」「急(せ)いては骨董(こっとう)を毀損(きそん)する」など、日課の言葉遊びも紹介。放送業界の経験を生かした自作のドラマ脚本では、涙を誘う「ファンタ爺」な一面をのぞかせる。

 新聞マニアでもある著者。全国紙や夕刊紙計7紙の新聞批評は徹底的だ。日付や見出し、時には記者の実名を挙げながら「訂正とおわびが多すぎる」「人物のホンネを引き出すのがうまい」と論評。活字の種類やけい線の使い方も指摘する細かさだ。小欄もターザンの意思、もとい、他山の石としたい。(江)

 幻冬舎03(5411)6222=1430円。

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「東北の本棚」は、地元にゆかりの深い著者の本、東北を舞台にした本などを紹介するコーナーです。小説、評論、ルポルタージュ、写真集、絵本など、さまざまな本を厳選して生活文化部の記者が紹介します。

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