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女川原発・硫化水素事故 県と2市町が立ち入り調査

立ち入り調査の講評を伝える伊藤課長(左から5人目)

 東北電力女川原発(女川町、石巻市)で7月に協力企業の作業員7人が硫化水素を吸い込んで搬送された事故などへの対応を確認するため、県と女川町、石巻市は15日、東北電との原子力安全協定に基づく立ち入り調査をした。

 県原子力安全対策課の伊藤健治課長ら16人が東北電の担当者から事故概要などの説明を受けた後、約2時間、現地調査を実施。1号機廃棄物処理建屋で硫化水素発生の要因となった洗濯廃液のスラッジ(汚泥)の処理の流れを確かめ、8月に火災報知機が作動した焼却炉建屋も回った。

 書面調査では、再発防止対策を記した手順書案などを確認した。

 東北電によると、硫化水素事故は発生源の洗濯廃液のタンク内に廃液の汚泥が多量に堆積していたことなどが原因。汚泥の定期的な排出などを再発防止策に挙げ、石巻労基署に改善報告書を提出した。

 地震の影響で使用済み核燃料プールなどにボルトなどが落下した3号機原子炉建屋の点検用足場は9月までに撤去した。来年1月ごろからプール内を水中カメラなどで点検し、落下物を回収する。作業は年度内の完了を目指す。

 火災報知機の作動は焼却灰を回収する設備の一部が破損し、灰が白煙状に漏れ出たことが原因という。

 伊藤課長は調査後、「三つの事象は原発の主要部分ではない所で起きたが、一歩間違えば大きな問題に至ると認識してほしい」と指摘した。女川原発の若林利明所長は「要請を肝に銘じ、対応を徹底したい」と述べた。

 調査には原発30キロ圏内の東松島市など5市町の職員も同行した。

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