4病院再編「議論、開かれた場で」 郡仙台市長が反論の意図説明

仙台市役所

 郡和子仙台市長は16日の定例記者会見で、宮城県が打ち出した仙台医療圏4病院の再編方針に対し、反論する文書を県に提出したと発表し「医療提供体制に重大な影響を及ぼす」と懸念を示した。県の情報開示の不足を批判し「県民、市民が納得できるよう公の場で議論すべきだ」と提案した。

 郡市長は「これまでの議論の経緯、再編の詳細や根拠となるデータ、今後の進め方の情報が十分に示されていない」と指摘。再編対象の仙台赤十字病院(太白区)、東北労災病院(青葉区)の利用者から「疑問や不安の声が上がっている」と丁寧な説明を求めた。

 「本来は県地域医療構想調整会議で議論されるべきだ」と強調。有識者会議を設置する他都市の事例も紹介し、病院設置者だけで進む再編協議を疑問視した。

 県が指摘する救急医療の市内偏在に関しては、市人口1万当たりの救急出場件数が県平均を上回る現状を示し「県は医療機関の数のみに着目し、市内に偏在と言っている」と反論した。

 「市内は救急の受け入れ病床に余裕がある」とした村井嘉浩知事の発言も疑問視。「急性期病床と救急搬送される病床はイコールでない。救急を受け入れない病院もある。『余裕』発言には異論を唱えなければならない」と語気を強めた。

不信感あらわに

 県が主張の根拠とする病床機能報告に基づく救急受け入れ件数が、県消防課が公表する消防防災年報の救急搬送人員より約2万人少ないと指摘。「数値の妥当性の検証を申し入れたが、消防課は(再編の検討に)加わっていないと言われ、大変に驚いた」と明かし、不信感をあらわにした。

 市内2病院が市外に移転すれば、仙台医療圏の仙台市外は救急隊の現場滞在時間が短縮できるとの村井知事の見解にも「滞在時間は救急隊の活動に左右される。一部分を切り取り、時間が長いとするのは現場と乖離(かいり)している」と苦言を呈した。

 郡市長は「性急に賛成、反対を表明できない」と再編自体の賛否は言及を避けた。「仙台の既得権を守りたいわけではない。県民の命と健康を守る体制をどう整えるか、活発な議論を開かれた場でやってほしい」と反論の意図を説明した。

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