法被のデザイン、ネットから手軽に 仙台の老舗染物店がシミュレーター導入

利用者が自由に法被をデザインできるシミュレーター。背中には文字だけでなく写真や画像もレイアウトできる。

 仙台市若林区の老舗染物店「永勘染工場」は、新型コロナウイルスの影響で祭りの中止が相次ぐ中、新たな需要を開拓しようと「半纏(はんてん)・法被デザインシミュレーター」を導入した。パソコン、スマートフォン、タブレットといった多様なデジタル機器に対応しており、印染(しるしぞめ)業界では初の試みという。

 利用者がウェブ上でサイズ、色、柄を選択し、襟に記す文字を入力すると、画面上に仕上がりイメージが表示される。背中には文字以外にも、利用者が用意した写真や画像をデザインできる。名前やメールアドレス、数量、生地を記入して送信すると、同社から見積もりのメールが送られる仕組みだ。

 従来は顧客と面談して色や柄、素材の要望を聞きながらモニターにデザインを表示していたが、オンライン上でやりとりできることで納期短縮、要望の明確化などが期待できる。

コロナで需要激減

 コロナ流行前、同社は日本全国の祭り、展示会などの法被を年間500~600着程度受注していた。感染拡大後は仙台・青葉まつり、青森ねぶた祭りがともに2年連続で中止。企業の展示会なども軒並み見送られ、需要が1割程度に激減したという。

 同社の半纏・法被はこれまで祭り向けが6割強、他用途向けが3割強程度だった。シミュレーター導入で今後は学園祭など受注が少なかった用途の販路を拡大し、祭り以外を5割程度に引き上げたい考え。年内にも神社ののぼり旗、帆前掛け、手拭い、タオルなどのデザインにもシミュレーターを導入する方針だ。

 永野仁輝(まさき)社長は「顧客とやりとりしながら、修整内容を可視化できるので生産性向上につながる。法被は和装だけでなく、洋装にも合わせられる。新ツール導入を機に、若い世代に関心を持ってもらい、新しい装い方につながるといい」と期待している。

半纏・法被デザインシミュレーターのウェブサイト

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