ALSの新薬開発へ 原因物質の抑制効果確認 山形大など

記者会見する上野善之医学部長(左)、杉本氏(中央)、加藤センター長

 山形大などの研究グループは24日、運動神経が侵され全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新たな治療薬候補が見つかったと発表した。アルツハイマー病治療のため開発中の薬で、マウスでの実験で発症の原因となるタンパク質の異常凝集を抑制する効果が確認された。2024年にASL患者への臨床試験を始める予定だ。

 共同研究者の国立病院機構山形病院(山形市)の加藤丈夫センター長によると、ALSの進行を遅らせる既存薬はあるが、発症の初期変化で見られるタンパク質の異常凝集を抑える薬は世界初という。

 候補となる治療薬は、創薬ベンチャー「グリーン・テック」(京都市)が開発中の「GT863」。同社はアルツハイマー病進行抑制薬「アリセプト」の開発に携わった杉本八郎氏が社長を務める。脳や脊髄でのタンパク質の異常凝集を直接抑えることができ、ALSへの効果についても約10年前から山形病院や山形大と研究を重ねてきた。

 研究グループは、家族性ALSを発症するよう遺伝子操作したマウスにGT863を投与し、投与していないマウスと比較。投与したマウスで異常凝集を引き起こすタンパク質の形成が約半分となり、運動神経の細胞死は約2割抑えられた。運動機能のテストでも、有意差が認められた。

 今後は発症事例の大半を占める個発性のALSにかかったマウスでも効果を確かめる。

 加藤センター長は「GT863はALSの原因の根本に迫り、進行を止められる可能性もある。研究を進めることが、患者や家族にとって希望になればいい」と語った。

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