河北抄(12/25):城郭が残っていない仙台城跡で1番の見どこ…

 城郭が残っていない仙台城跡で1番の見どころといえば、何をおいても伊達政宗の騎馬像。よく知られるように、今ある像は2代目で、太平洋戦争中の金属供出で1度姿を消した後、仙台市観光協会(当時)が1964年に再び建立した。

 宮城県柴田町生まれの彫刻家小室達が制作した原型を町が保管していたため、元通りに復元できた。では初代の像を建てたのは誰? 没後300年を記念する藩祖三百年祭に向けて、県青年団の発意と奉仕によって35年に完成した。

 仙台市の郷土史研究家佐々木伸さん(67)が騎馬像の歩んだ歴史を丹念にたどり直している。台座の銘板「伊達政宗卿(きょう)」は、旧仙台領の奥州市出身の斎藤実・元首相が揮毫(きごう)したことも突き止めた。

 青年団が斎藤に宛てた手紙数通が斎藤実記念館で見つかったという。当時の熱気を伝える写真も出てきた。埋もれかけた事実に光が差している。

 「戊辰戦争で賊軍とされた宮城の人々の心のよりどころをつくろうとしたのでは」。佐々木さんは建立の動機をそう推し量る。探究の成果は来春出版される。

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