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いしのまき二刀流>石巻圏観光推進機構職員、お笑い芸人 山内千代文さん

お笑いモードに瞬時にチェンジした山内さん

石巻地方で活躍するさまざまな分野の「二刀流」の人、取り組みを紹介する。(佐藤紀生)

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<二つの名を使い、石巻の魅力発信>

 山内さんには二つの名前がある。一つは、一般社団法人石巻圏観光推進機構(DMO)職員として奔走する本名の山内千代文(ちよふみ)、そしてもう一つが、お笑い芸人として舞台に立つときの山内チヨプミだ。

 大学時代に知り合った2人とトリオを組み、コント中心に都内の演芸場などで披露する一方、東京FMのパーソナリティーを務めるなど、知る人ぞ知るトリオとして人気を集めていた。

 しかし、事務所に所属せず活動していた世間知らずが災いし、仕事はじり貧に。アルバイトで食いつなぐ日々が続き、一度、リセットしようと古里に戻った。

 スキル向上のために経営学修士を取得、縁あって松島観光協会に勤務。日本三景の観光地、多くの人が全国はもとより世界中から集まる。山内さんは「観光はおもてなし。お客さんに喜んでもらいたい。お笑いと似ている」と気付いた。

 併せて、東松島市出身の「ニードル」も所属する芸能事務所に入り、お笑いとの二刀流を決意した。

 DMOの職員として、最近は特産の「河北せり」を使った新たな「石巻せり鍋」の売り込みなど、石巻の豊富な食材のアピールに力を注いでいる。野生のシカを見に行く「みる鹿ナイトツアー」などユニークな取り組みも打ち出した。

 笑いで石巻地域をPRする「お笑いマスター決定戦」を立案、芸人が制作した観光PR動画と持ちネタを披露し、お笑いで石巻をPRするイベントも行った。

 自身も仙台の舞台で活動するだけでなく、日本笑い学会石巻支部副支部長を務める飛翔閣会長伏見不二雄さんと、年の差35歳の漫才コンビ「金華山・山ちゃん・竹ちゃん」を3年前に結成。高齢者施設などを巡り、「笑いで石巻を元気に」と活動を展開している。迎えた新年、さらなる飛躍を目指す。

 「石巻の魅力をどんどん発信する。楽しさや意外性は人の心に響く。お笑いと同じで、伝え方には工夫を重ねたい。石巻大好きな皆さんとともに、喜んでもらえる街づくりをしたい」。山内さんは笑顔で、前を向く。

 やまうち・ちよふみ 1977年7月、石巻市生まれ。石巻高から石巻専修大に進学。卒業後に上京し、お笑いトリオを結成。2003年、帰郷。同大大学院で経営学修士を取得。松島観光協会勤務を経て、17年から現職。仙台市青葉区の自宅で妻、1男1女と4人暮らし。

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