被災建物からスレート回収、再利用 保存活動に光当てる 企画展あすまで
石巻市雄勝地区の市雄勝硯伝統産業会館で開催中の企画展「おがつの石」で、東日本大震災後に雄勝地区で行われてきた天然スレートの保存活動に光を当てる展示がある。津波で被災した家屋などから数万枚のスレートが保存され、地区内や国内外で建材として再利用された。住民やボランティアの奮闘が、スレートのある風景を現在につないだ。
特産の雄勝石を薄い板状に加工したスレートは、表面のわずかな凹凸や縁の欠け方など、一枚として同じ形はない。展示室の一角に現物が置かれ、壁には約700枚の写真が並ぶ。震災から約3年間、保存活動に取り組んだ人々の姿を伝えている。
「何かに使えるかもしれない。汚れていても洗って、どこまでも使ってやりたかった」。地元出身で、当時は雄勝硯生産販売協同組合の職員だった高橋頼雄さん(54)=いわき市=は振り返る。2012年12月、津波で被災し、解体を待つ旧雄勝総合支所の屋根に残ったスレートをはがし始めた。
知人らと3人で取り組んだ。総合支所の屋根をはがし終えると、自宅を解体する住民からも照会が相次いだ。作業を手伝おうと、約3年間で延べ1000人以上のボランティアが全国から集まった。住民から要望がある度に約20人の有志が地域を訪問。大量のスレートを一時保管場所まで運び、一枚一枚、手作業で丁寧に洗った。保存した数は数万枚に上った。
地域では、スレートが風景の一部だった。震災の津波で生産拠点は流失。職人も被災したが、活動によって再利用へ活路が開けた。市雄勝小中学校や伝統産業会館をはじめとする地区内の施設のほか、日本統治時代の台湾に建設された台湾総督府鉄道部(現国立台湾博物館鉄道部パーク)の屋根の復元にも活用された。
高橋さんは「一枚一枚に地域で使われてきた味がある。それぞれの風合いや日焼け跡、さびなどを見て、震災前の雄勝を知る一つのきっかけにしてほしい」と語った。
企画展は30日まで開催。
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宮城県警 みやぎセキュリティメールより
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