小規模校がユニークな学校運営 山形・小国高、「学び」の在り方探る

小国高で学ぶ県外の生徒12人=7日、山形県小国町役場

 山形県小国町の小国高が、小規模校ならではのユニークな学校運営を展開している。県外生徒の受け入れをはじめ、海外や他の小規模校とも積極的に交流を重ねる。新潟県境の豪雪地帯で生徒の視野を広げようと、学びの在り方を探っている。

県外の1、2年生受け入れ

 4月には県外から新たな仲間12人が加わった。1年生7人は3年間、2年生5人は1年間、親元を離れて小国町内の寮や町民の家庭で暮らす。出身地は東京都や大阪府、愛媛県などさまざまだ。2021年度は2年生のみだったが、22年度に1年生の受け入れも始めた。

 千葉県から入学し、寮生活を始めた1年三浦美桜さん(15)は「雪や紅花などこの地域にしかないものに触れ、住民と関わりながら学びたい」と目を輝かせる。米野和徳校長は「多様な考えを持つ生徒たちが互いに刺激し合い、成長してほしい」と期待を寄せる。

 県外生徒は、全国で徐々に広がる「地域みらい留学」の制度を基に、運営する松江市の財団法人を通じて募った。本年度の受け入れ数は、東北では最も多い水準とみられる。町教委は、県外生徒の生活などを支えるコーディネーターを校内に配置するなどして、体制を拡充させている。

ICT活用 海外校と連携

 他校との連携や情報通信技術(ICT)の活用にも力を注ぐ。全国の小規模校の生徒が集まって意見を交わす年1回の「サミット」を主導したり、海外の学生に小国町の特長をオンラインで紹介したりしている。

 21年度は、サミットが縁で関係を築いた岩手県大槌町の大槌高、熊本県小国町の小国高と4回、オンラインで交流。地域の文化や課題を探る校内の取り組みを発表し合った。

 一連の取り組みは、他校にない特色をつくろうと、学校が町教育委員会などと進める「魅力化プロジェクト」の一環で、19年度に始動した。同年春に小国高に進んだ地元の中学3年生の割合が例年より低く、危機感を抱いたのがきっかけだった。地元の進学率は学校存続や将来の働き手確保にとって重要な意味を持つ。

 22年度の全校生徒は12人の県外生徒も含めて74人。取り組みを始めたものの、減少傾向は続く。コーディネーターの阿部宣行さん(36)は「県外の生徒や校外との交流で化学反応が起き、生徒それぞれが新たな可能性を見つけられればいい」と話す。

[地域みらい留学] 高校生が地元を離れて地方の公立高校に通う制度。財団法人地域・教育魅力化プラットフォームが主体となり、17年に始まった。21年度は全国27道県の78校が生徒を募集し、500人以上が制度を利用した。山形県の小国高は22年度、県から入試制度上の認可を受け、同校で3年間の学校生活を送る生徒の受け入れに踏み切った。

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