ウクライナ侵攻に伴う経済制裁でロシア産の単板など一部木材の輸入が禁止されたことを受け、東北の製材業者や建築業界が木材価格の上昇を不安視している。単板は住宅建築に欠かせない合板の材料で、輸入量の8割強をロシア産が占める。世界的な木材価格の高騰「ウッドショック」も加わり、関係者は「禁輸でさらに高値になるのは避けられない」と気をもむ。
「木材価格は5月以降、1、2割上がると言われている。今日が絶好の仕入れ時だ」
仙台市宮城野区の仙台木材市場で4月21日にあった競り。冒頭、製材工場でつくる売方組合の組合長佐藤裕康さん(54)=佐藤製材所(登米市)社長=があいさつすると、岩手、宮城、秋田、福島各県から参加した約60人が一様にうなずいた。
ウッドショックで木材価格は急騰。一般的な大きさの合板1枚が倍額の2000円超になった。合板は単板を数枚重ねて作るが、ロシア産カラマツの単板は強度が高く、合板の外装用に需要がある。単板輸入量のうち、ロシア産が82・5%(2021年)を占めるため、禁輸で合板のさらなる値上がりが確実視される。
余波は既に各地に及ぶ。ロシア材が合板に多く使われるという秋田県では、代替品需要もあって秋田杉の丸太が値上がりしている。桑原木材能代工場(能代市)の佐藤吉博さん(59)は「丸太の値段は以前の倍。それを使う合板もどんどん高くなるだろう」とみる。
しわ寄せは住宅建築の現場に押し寄せる。合板は屋根、壁、床と多くの箇所の下地になる。大工工事業の猪股工務店(宮城野区)社長の猪股宏征(ひろゆき)さん(50)は「屋根のリフォームだけで100枚使うこともあり、仕入れ費は以前より10万円増えた。今後どこまで上がるか読めず、先々の仕事がしにくい」とこぼす。
契約後、完工までの間に材料費が上昇する懸念もある。建築業の角栄ホーム(名取市)の今野たか子さん(63)は「見積もりの時は高価なクロス(壁紙)にし、木材が高騰したら安い物に切り替えるなど、やり方はある」としつつ、「急騰したらどうするか。契約が怖い」と漏らす。
「この状況では本年度の住宅着工数は減る」。仙台木材市場社長の守屋長光さん(69)の見立てが説得力を帯びる。
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