河北抄(5/11):新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いて…

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いていた昨年12月、沖縄戦犠牲者の名前が出身地別に刻まれている「平和の礎(いしじ)」(沖縄県糸満市)を訪ねた。

 東北各県の碑を巡って手を合わせていたら、青森の碑の前に小さな花束が供えられているのを見つけた。まだ色鮮やかでみずみずしい。こんな時期にも慰霊に訪れる人が絶えないことに驚かされた。

 太平洋戦争末期、沖縄は日本軍が本土決戦に備える時間稼ぎのため、過酷な地上戦の舞台となった。死者約20万人。沖縄の犠牲者は12万人で、このうち子どもを含む民間人は9万4000人に上る。

 共同通信社が世論調査で沖縄県のイメージを尋ねたところ、60代以上で最も多かったのは「多くの人が悲惨な体験をした戦地」。一方、50代以下では「海などの自然を楽しむ観光地」が首位だった。さらに若い世代ほど米軍基地の現状を問題視する人が少なくなる傾向も表れた。

 戦禍の記憶が遠ざかっても、沖縄の苦難の歴史は終わっていない。沖縄は15日で日本復帰50年。平和の礎には宮城県出身者637人の名前も刻まれている。

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