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新「津波想定」 石巻市長、対策案示す 「避難先確保が現実的」

 石巻市の斎藤正美市長は11日の定例記者会見で、県が10日に公表した新たな津波浸水想定で市内の浸水域が東日本大震災を上回る結果になったことを受け「ハードの整備よりも避難先をどう確保するかが現実的だ」と述べ、ソフト面の対策を進める考えを示した。

 3月16日の津波注意報発表時も市内では避難道路や高台に向かうルートで渋滞が起きた。斎藤市長は「徒歩避難が原則だが、現実的には車で避難する人が多い。車で移動できる高台の避難場所確保が必要だ」と強調した。

 浸水想定では震災の被災者が移転した蛇田、渡波地区などの新市街地も浸水域に含まれた。「安全だと思って整備した。当事者なら憤りも感じると思う」と述べた上で「津波の時は避難しなければいけないということ。想定を頭に入れ、命を守る行動を取ってほしい」と呼びかけた。

 想定結果を受け、市は地域防災計画の見直し作業に入るが、改定には2年ほどを要する見通しも示した。

 市は新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を6月上旬に始める方針も明らかにした。対象は60歳以上と、18歳以上で基礎疾患がある人など。3回目の接種率は9日現在、12歳以上が65.5%、65歳以上は90.5%。

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