デスク日誌(6/19):桜桃の季節

 6月になると、山形県はサクランボ一色に染まる。露地物の初出荷、観光果樹園オープン、盗難防止夜間パトロール、仙台圏から国道48号でサクランボ狩りにやってくる車の大渋滞…。関連のニュースが毎日のように流れる。23日には大玉の新品種「やまがた紅王(べにおう)」が市場デビューする。

 取材先でもお裾分けを頂く機会が増えた。「塩水でさっと洗うと甘みが際立つよ」と地元の農家に教えてもらった。当方、作家太宰治の忌日であるきょう19日の「桜桃忌」が誕生日ということも関係しているのか、サクランボに目がない。が、こう気前よく振る舞われると、かえって申し訳ない気持ちになってくる。

 というのも県内は昨年、低温と降霜の影響で市場販売量が4割減という記録的な不作に見舞われたからだ。「今年こそは」と、各農家は園地をヒーターで暖めたり、低温警報をメールで受けるシステムを導入したりと、開花前に雄しべを枯らさないよう気を配った。

 その結果、今年の作柄は「平年並み」に。県内全体が安堵(あんど)の空気に包まれた。サクランボに懸ける農家の思いに感謝しながら、お裾分けの一粒を口にふくむ。(山形総局長 佐藤克弘)

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