<トップに聞く>住宅・建築SDGs推進センター 阿部俊則会長

阿部俊則氏

[阿部俊則(あべ・としのり)氏]東北学院大卒。1975年積水ハウス入社。2008年4月に社長兼最高執行責任者に就任。18年2月から21年4月まで会長。22年4月から住宅・建築SDGs推進センター会長。70歳。登米市出身。

住宅の脱炭素化推進/高断熱化と省エネ啓発を

 省エネなど建築物の環境負荷軽減の基準作りや普及啓発に取り組む一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター(東京)の会長に就いた登米市出身の阿部俊則氏が河北新報社の取材に答えた。積水ハウス(大阪市)で社長、会長を歴任した経験を基に「環境に配慮した家は住む人の健康にもつながる」と住宅の脱炭素推進に意欲を示した。
(報道部・大泉大介)

 -新築住宅に省エネ基準適合を義務付ける改正関連法が成立した。

 「前進なのは確かだが、それでもまだ日本の家の断熱性能は欧米に後れを取っている。義務付けられたのは1999年に定められた基準で十分と言えず、義務付けも2025年度からと遅いのも歯がゆい」

 「国内エネルギー消費の3割を建築物が占めるにもかかわらず、全国に5000万戸ある住宅で省エネ基準を満たしているのは13%に過ぎない。本来目指すべきは高断熱化に加え、設備の高効率化と太陽光発電などの創エネルギーを取り入れたゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)だ。ZEHの普及に一層の啓発が重要だと感じている」

 -「サステナブルな家は健康にもいい」が持論だ。

 「断熱が優れた家は夏も冬も適温を保ちやすいために冷暖房費が減るだけでなく、住む人の健康にもつながるというデータが出ている。断熱された家は急激な温度変化によるヒートショックや高血圧症を防止し、熱中症も予防するからだ。人生100年時代にふさわしい家の在り方を訴えていきたい」

 -高い理想をどう実現していくかが問われる。

 「いい家を造るには確かにコストはかかる。ただ若い世代を中心に、SDGs(持続可能な開発目標)にかなう家でないと、もはや支持されない時代になってきているのではないか。積水ハウス時代も『グリーンファースト』を長年言い続けてZEHを標準化し、全体の91%を占めるまで浸透させた自負がある」

 「推進センターの会長に4月に着任したばかりだが、日本の家作りの基準を決める中核として、ミッションを果たしていきたい」

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