路線価公表 工業港曽波神トップ、11年連続 石巻税務署管内
仙台国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2022年分の路線価(※)を発表した。石巻税務署管内の最高路線価は11年連続で石巻市恵み野2丁目の「石巻工業港曽波神線通り」で、1平方メートル当たり6万3000円だった。価格は3年連続の横ばい。東日本大震災の復興需要収束後、高止まり傾向が続いている。
曽波神線通りは、沿線にスーパーや家電量販店、飲食店といった商業施設が集積。三陸沿岸道石巻河南インターチェンジにも近く、近隣市町からも集客力がある。震災後の12年から石巻税務署管内の最高路線価地点になり、15年には上昇率が東北トップとなったが、20年から横ばいが続く。
仙台国税局管内52税務署別の最高路線価の価額順位は前年と同じ14位。対前年変動率は12位で前年から四つ下がった。
用途別主要標準地の評価基準額では、商業地が石巻市恵み野2丁目の6万3000円。住宅地は同市中里5丁目の4万3000円で、どちらも前年から変動はなかった。
市内の中心市街地ではJR石巻駅前の石巻停車場線が6万円と前年より1000円下がった。立町1丁目の旧石巻商工会議所前は4万6000円で横ばいだった。
県内の標準宅地の平均変動率は2.9%で、10年連続で上昇した。県内10税務署別の最高路線価は仙台や塩釜など6地点で上昇。横ばいは石巻を含め3地点、下落は気仙沼の1地点だった。
価額1位は仙台市青葉区中央1丁目の「青葉通り」の339万円で前年より2.7%上昇。上昇率が最も高かったのは同市太白区あすと長町1丁目の「あすと長町大通り」で前年比6.7%プラスの32万円だった。
(※)路線価
主要道路に面した土地1平方メートル当たりの1月1日時点の評価額。相続税や贈与税の税額を算定する基準になる。今年の対象は全国約32万3000地点(標準宅地)。国土交通省が発表する公示地価をベースに、売買実例や不動産鑑定士の評価などを踏まえて算定し、同一地点では公示地価の8割程度の水準となる。国税庁のホームページで閲覧できる。