松島温泉組合が「じゃらん 元気な地域大賞」に 電子クーポンで地元誘客成功

日本三景の一つ、松島。遊覧船が島々の合間を縫って航行する=今年2月撮影

 2021年度に顕著な実績を収めた宿泊施設などを表彰する「じゃらんアワード」の東北ブロックで、デジタルクーポンの活用で宮城県内からの誘客に取り組んだ同県松島町の松島温泉組合が、「じゃらん編集長が選ぶ元気な地域大賞」に選ばれた。

 アワードは、リクルートが運営する旅行サイト「じゃらんnet」や旅行情報誌「じゃらん」が発表した。組合はじゃらんnetの宿泊予約システムを使い、宿泊料金に応じて1500、3000、5000円の3種類のデジタルクーポンを用意。昨年8~12月に会員の7宿泊施設を予約する際に割引券として利用できるようにした。

 松島は関東など宮城県外からの観光客が多く、仙台市を中心とした日帰り客の宿泊需要創出が課題だった。組合は新型コロナウイルス下で県境を越える移動を控えるよう要請があったことなどを受け、県内客の需要喚起に向けてデジタルクーポンの活用を決めた。

新たな枠組みづくり評価

 実施に当たっては事業費の5分の4相当額(約365万円)に町の補助金を活用。予約の際には温泉地としての魅力もPRするなどした結果、用意した1885件分の予約がほとんど使用された。利用者の内訳は宮城県内が40・8%、宮城を含む東北が61・4%を占めた。

 元気な地域大賞は独自性や協働性に優れた地域に贈られる。松島温泉組合は、組合単位で結束するだけでなく町を巻き込んでクーポン事業を実施したことや、県内の他エリアで厳しい状況が続く中で宿泊需要と経済効果を生み出し、コロナ下の新たな枠組みを確立したことなどが評価された。

 表彰式は6月28日に仙台市内のホテルであり、リクルート旅行ディビジョンの宮本賢一郎ディビジョン長が西條博也組合長に盾を手渡した。西條組合長は「行政とじゃらんの協力でプロジェクトを前に進められた。モデルケースとして立ち上げられてことを感謝したい」と謝辞を述べた。

 宿泊施設の優れた取り組みを表彰する「じゃらんアワード」は12年に始まり、今回で9度目。東北ブロックでは、じゃらんnetの口コミ点数や取扱金額が上位の施設に授与される賞など10部門で表彰された。

宮本ディビジョン長(左)から盾を受け取る西條組合長=6月28日、仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台

今年のクーポン8月発行

 松島町は新型コロナウイルス下の観光客減少で打撃を受ける宿泊施設の支援として、旅行予約サイトで使えるデジタルクーポンを8月に発行する。松島温泉組合が昨年実施したデジタルクーポンの成功を受けた措置。今年は、より多くの宿泊施設が加盟する松島旅館組合に割引分を補助する形で実施し、対象施設を拡充する。

 クーポンは1500円、3000円、5000円の3種類を各1000セット用意。対象サイトで予約する際に、宿泊料金に応じていずれかを割り引き券として使える。利用期限は来年1月上旬に設定する。

 今年のクーポン事業には松島旅館組合に加盟していない施設も合わせ、昨年の2倍となる町内の14施設が参加する予定。クーポン発行にかかる事業費は1000万円で、国の地方創生臨時交付金と町の一般財源を活用する。

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