公共交通で通勤を 石巻市、初のチャレンジデー 市職員が率先
石巻市は22日、職員に月1回、バスや鉄道での通勤を求める「公共交通チャレンジデー」を初めて実施した。人口減少などで運営が厳しさを増す地域交通機関の利用意識を高めるのが狙い。職員はさまざまな手段で職場に向かい、利便性や課題を身をもって感じた。
北上地区に住む市総合相談センターの佐々木洋介主事(29)は午前6時40分に自宅を出発した。最寄りの停留所から同49分発の住民バスに乗り、飯野川地区で下車。13分ほど待って7時20分発のミヤコーバスに乗り換えた。同57分にJR石巻駅前に着き、市役所には8時に到着した。
普段は7時10分ごろにマイカーで自宅を出て、職場には8時過ぎに着くという。始業は8時半。佐々木さんは「いつもより早く起きなければいけなかった。もう少し始業時間近くに着くダイヤがあると楽になる」と感想を語った。
一方、バス通勤は初めてで、これまではルートを調べたこともなかったという。佐々木さんは「思っていたよりも望んだ時間帯に来られる手段があった」と話した。
対象者は保育士を除く行政職の一般職員計1054人。市地域振興課によると、おおよそ5~6割が参加したとみられる。
平井敦司課長は「通勤ルートを初めて調べた職員も多い。選択肢に加わったことで、利用する場面が増えてくれれば」と期待した。
チャレンジデーは12月までの毎月第4金曜日に実施。終了後の来年1月、対象者に実践した感想や参加できなかった理由などを聞き取る。
市が6月に実施した通勤手段の調査では、公共交通利用者は全体の10.8%にとどまり、自家用車が65.5%を占めた。