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躍動再び 石巻川開き祭り開幕、3年ぶり 熱気開花

色鮮やかな大輪の花火が夜空と川面を染めた=6日午後7時35分ごろ、石巻市の日和山公園から北上川を望む
力強いオールさばきを見せる出場者

 第99回石巻川開き祭りが6日、開幕した。新型コロナウイルス感染拡大で2020、21年と2年連続で見送られた主要行事が3年ぶりに復活。中心市街地や北上川を舞台に孫兵衛船競漕(きょうそう)、縄張神社奉納大縄引き大会などさまざまな行事を繰り広げた。祭りの熱気がコロナ禍の閉塞感を打ち払い、街は久しぶりに活気づいた。夜には花火大会があり、約6000発の花火が石巻の夜空を彩った。

 花火大会は午後7時半にスタートした。打ち上げ会場は東日本大震災後に定着していた中瀬から北上川の石巻大橋下流に変更。供養花火との2部構成で、台船2台から迫力あるスターマインや10連続尺玉などを打ち上げた。

 3月に整備が完了したばかりの河川堤防には、三つの観覧場所が設けられた。住吉小と大島神社間に用意された有料観覧席500席は完売。利用者は間近に次々と上がる花火を見上げ、一つ一つのプログラムが終わる度に拍手を送った。

 日程は震災以降、7月31日と8月1日に固定してきたが、今年は8月の第1土曜、日曜に。休日開催で3年ぶりということもあり、感染が再拡大する中でも多くの家族連れや観光客が会場に繰り出した。

 石巻市開北の運送業高橋利行さん(45)は「祭りのない2年間は寂しかった。うれしい気持ちでいっぱい」と楽しんでいた。

 水上行事のメインとなる伝統の孫兵衛船競漕は予選レースがあり、2部門に計29チームが出場した。陸上行事では恒例の大縄引き大会や一皇子宮神輿(みこし)のほか、「アクアカーニバル」や「お祭り広場」といったステージも祭りに華を添えた。

 立町大通りには万国旗、アイトピア通りには市民有志や商店街関係者らが手作りした七夕飾りが掲げられ、通りを彩った。

 7日は孫兵衛船競漕の決勝がある。陸上パレードには小学校鼓笛隊や石巻中吹奏楽部などが登場。沖縄県の伝統芸能「エイサー」や縄張神社みこし、桃生地区の「はねこ踊り」も披露され、伝統の大漁踊りが祭りのフィナーレを飾る。

孫兵衛船競漕、きょう決勝・準決勝

 水上のメイン行事「孫兵衛船競漕」は6日、北上川で予選と準々決勝を実施した。一般孫兵衛船(12人乗り)に21チーム、ミニ孫兵衛船(8人乗り)に8チームが出場。今回から開北橋下流に移った400メートルのコースで競い合った。

 石巻ロイヤル病院(石巻市広渕)の看護師らがメンバーの「ロイヤル・レディース」はミニの部に初参戦。新型コロナの影響で減った職場内の交流機会にするとともに、参加を通して地域活性化に貢献しようと出場を決めた。

 代表者の菊地景子さん(44)は「感染対策に気を付けながら何とかメンバーをそろえて出場できた。気持ち良くこぐことができ、とにかくゴールしようという目標をみんなで達成できた」と話した。予選で敗れはしたが、7日の順位決定戦に臨む。

 一般の部は8チームが7日の準決勝に進出。ミニの部は4チームが決勝に進んだ。感染防止のため1団体につき各種目1チームまでの参加とし、レースごとに船を消毒した。

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