NPOで高校生の夏ボラ体験2022

 宮城県内の高校生が夏休みにボランティアを体験する「NPOで高校生の夏ボラ体験」(実行委員会主催、かほく「108」クラブ共催)。ことしは91人が20団体で活動しました。8月22日の前回に続き、生徒の体験と気付きを紹介します。

地元の良さ発見 好きに

◎古川学園高2年 山田 知紗希さん

 活力ある地域をつくるため市民活動を支援する大崎市市民活動サポートセンターでの夏ボラ。「みんなが考えるアゲアゲなまちづくり」をテーマに高校生の視点で、どうすれば人が来やすいまちになるか、楽しいまちになるかを考えました。

 参加した古川学園高2年山田知紗希さん(17)は、大崎市古川の台町商店街や「おおさき古川まつり」を巡り、アンティークな店やカフェを知りました。「こんなにまちをじっくり見たことはなかった。新しい発見ができた」と山田さん。まちの様子を普段と異なった視点で見ることができたようです。

 また同市古川の化女沼で環境保全を担うNPOの活動を知るため、ザリガニ捕獲を体験。担当したスタッフからは「ザリガニに苦戦しながらも積極的に質問し、前向きに取り組んでいた」という声がありました。

 まち歩きや活動体験を通して地域の自然や文化、人に触れた3日間。テーマについては名物料理や若者が集まるスポットがあればいいな、そんなアイデアが思い浮かんだそうです。

 「昔の名残があって、人の温かさが感じられる。都会過ぎず田舎でもない、ちょうどいいまち」と山田さん。地元の良さを発見し、好きになれたようです。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 丹野伶菜)

化女沼でザリガニ捕獲に挑戦した山田さん(左から3人目)=8月上旬

発達障害の特性を理解

◎富谷高3年 木村 莉緒さん

 認定NPO法人みやぎ発達障害サポートネット(仙台市)は、発達障害のある子どもとその親が安心して暮らせる社会づくりを目指し活動している団体です。夏ボラとして高校生4人が参加し、活動を通じ発達障害の子と接するときの考え方を学びました。

 富谷高3年木村莉緒さん(18)は発達障害の特性を理解するため、体験初日と2日目に施設内の工夫を探す取り組みをしました。発達障害の子は見たものを触りたくなる特性があるとスタッフから聞き、リモコンを触れないよう置き場所を工夫していることなどを見つけました。

 スタッフの後藤まほろさんは「周囲は発達障害の特性を理解し、その子に合わせた対応を心がけることが大事。高校生にもそうした視点を持ち帰ってもらえればいい」と話します。その後、木村さんは学んだ特性を心に留め、来所した子どもに丁寧に関わることができました。

 2日間のボランティアを終え木村さんは「特性に向き合い、得意分野を伸ばそうと取り組んでいることが印象的だった。一人一人に寄り添う活動はNPOだからこそできる」と、自身で学び取った成果を話してくれました。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 吉田若葉)

子どもと触れ合う木村さん=7月下旬、仙台市

震災学び 解説員を実践

◎石巻好文館高2年 佐藤 暖華さん

 東日本大震災の教訓を伝え、防災を学ぶ石巻市門脇地区の施設「MEET(ミート)門脇」。公益社団法人3・11みらいサポート(石巻市)が運営するこの施設で、石巻好文館高2年佐藤暖華(はるか)さん(17)は8月9日から3日間、ボランティア体験をしました。

 施設を見学し、語り部からは震災時の様子を、南浜・門脇地区を歩き、元住民からは震災前の町のにぎわいをそれぞれ聞き、地域の震災前後を2日間学びました。3日目はその学びを生かし、施設の来館者に解説する体験もしました。

 震災時は幼稚園児で、あまり覚えていないという佐藤さん。みらいサポートを希望した理由を「想像しかできなかった震災のことをしっかり知っておきたい。同級生の中には津波で親族を失った人、地震におびえる人もいる。石巻に住む身として、震災を知らなければならない使命感がある」と話します。

 佐藤さんは昨年の夏ボラで、子どもと遊ぶボランティアに参加。今年は接する世代が異なり「応対が難しい」と苦笑しながらも、自身のコミュニケーション力の向上を実感しているようでした。みらいサポートの職員福田貴史さんも「1日の間にも成長が感じられる」とうなずきます。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 大宮佳奈)

MEET門脇で展示品の解説をする佐藤さん(右端)=8月11日

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志民の輪

私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。


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