閉じる

演じる楽しさ体験 石巻・キネマティカで発表会 戯曲に挑戦

演劇ワークショップの成果を発表。戯曲「明日のハナコ」に挑戦する受講生たち

 「1週間の演劇サマースクール」(石巻劇場芸術協会主催)の発表会が11日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカのホールであり、受講した高校生や市民が戯曲「明日のハナコ」(玉村徹作)に挑戦、演じる楽しさを体験した。8月5日に芝居や映画を楽しめる複合エンターテインメント施設としてオープンしたシアターキネマティカにとって初の演劇上演、芝居の面白い街づくりの新拠点として第一歩を踏み出した。

 5日に開講した演劇サマースクールには地元の劇団員のほかに高校生や大学生、同市に移住した者と多種多様な11人が参加。東京を拠点にする演出家の池田智哉さん(40)を講師に演劇ワークショップに臨んだ。その成果を7日目の最終日に観客を前に披露した。

 「明日のハナコ」は震災や原発、未来のことなどを語り合う女子高生ハナコと小夜子の物語。約40分間、読み芝居の形で受講生11人が代わる代わる演じた。男性もハナコや小夜子になりきった。演じる者が違うと同じ登場人物でも印象が変わり、芝居独特の面白さが浮かび上がった。11人は世代も職業も演劇経験もみなまちまちながら、力を合わせて創りあげた舞台に喜びを分かち合った。

 受講生の一人で、リボーンアート・フェスティバルのインターンとして京都府から同市に滞在中の大学1年、高橋由乃さん(20)は演劇の旗揚げに関わり「とても楽しかった」と充実感をにじませた。石巻専修大2年の豊原陽貴さん(20)=東松島市=は「キネマティカを使って面白いことをやってみたくなった」と話した。講師を務めた池田さんは「ここから新しいものが生まれる」と期待する。

 シアターキネマティカを運営する同協会の矢口龍太さん(39)は、観客の笑顔に触れて「いろんな人たちが集まって楽しんでくれた。今後もイベントやワークショップを企画し、街中ににぎわいを生みだしたい」と意欲を新たにした。

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ