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演劇文化の新拠点「キネマティカ」にエール 俳優の半海さん、鈴鹿さんら見学

シアターキネマティカ前で談笑する鈴鹿さん(中)。右は矢口さん=9月30日
ステージの縁に座り、ホールの雰囲気を味わう半海さん=1日

 石巻市出身の俳優たちが、8月に中央1丁目にオープンした複合エンターテインメント施設「シアターキネマティカ」に高い関心を寄せている。先日は鈴鹿景子さん(66)と半海一晃さん(64)が帰省した際、それぞれ見学。ステージがあるホールは芝居に生きる2人の目に小劇場のような魅力的な舞台空間に映った。

 シアターキネマティカは街中に誕生したエンタメ施設。最大約50人を収容できるホールはステージやスクリーンを備え、芝居や映画の上映会ができる。

 鈴鹿さんは9月30日に立ち寄り、運営する石巻劇場芸術協会の矢口龍太さん(39)と阿部拓郎さん(34)に初めて対面、ホールの活用法などについて意見を交わした。

 方言による一人芝居をライフワークとする鈴鹿さんは「アットホームな雰囲気がいい。出し物によって異空間が演出できる可能性を感じた。私の大好きな空間」と気に入った様子。

 翌10月1日には半海さんが所用の傍ら足を運んだ。ステージに座り、ホール全体を見渡していた半海さんは「刺激的な空間。僕自身、小劇場の出身のせいか、すぐにここで何ができるだろうって、ドキドキした」と明かした。

 2人とも東日本大震災後に被災地・石巻で始まった「芝居の面白い街づくり」に共感しており、鈴鹿さんは「ここから人の流れを生んでほしい。私で役立つことなら、東京で行っている朗読劇『八月の蒼(あお)い空』を石巻の高校生たちといつか上演したい」と意欲を見せる。半海さんは「街の中に小さな劇場がある。演劇文化の定着には絶対条件だと思う」とエールを送る。

 矢口さんは「鈴鹿さんや半海さんがここでやりたいと話してくれる。この規模の小劇場だからこその役目があるのだと実感した」と意を強くした。

 シアターキネマティカは空き店舗を改修し8月5日にオープン。床面積は約120平方メートルでホールとカフェを併設。アニメ上映や読み芝居、演劇ワークショップなどで街中に新たな人的交流を生みだしつつある。

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