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JR東66区間全て赤字 21年度・利用者少ないローカル線 最大は羽越線村上―鶴岡49億9800万円

 JR東日本は24日、利用者が少ないローカル線の2021年度分の区間別収支を発表した。開示対象となった35路線66区間は全て赤字。総赤字額は679億円で、20年度より28億円減った。路線の維持管理費などのコスト削減が要因で、運輸収入の大幅な改善は見られなかったとしている。

東北の営業係数ワースト5〔注〕2021年度、かっこ内は前年度

 開示対象は新型コロナウイルス禍の影響が少ない19年度、1日1キロ当たりの利用者を示す平均通過人員(輸送密度)が2000人未満の区間。営業距離は約2200キロで、管内全体の35%を占める。うち東北関係は22路線44区間含まれる。

 輸送密度2000人未満は21年度に36路線72区間に拡大したが、JR東はコロナ禍に伴う変動があるとして、新たに加わった路線と区間の詳細を明らかにしなかった。

 最大の赤字区間は羽越線村上(新潟県村上市)-鶴岡(鶴岡市)間の49億9800万円で、初公表の19年度分から3年連続となった。赤字幅は20年度比2億5700万円縮小した。

 赤字額が大きかったのは他に、奥羽線東能代(能代市)-大館(大館市)間が1億8500万円減の31億500万円、羽越線酒田(酒田市)-羽後本荘(由利本荘市)間が5800万円増の27億7800万円と続いた。

 100円の収入を得るために必要な費用「営業係数」は、21年度の輸送密度が44人と最少の陸羽東線鳴子温泉(大崎市)-最上(山形県最上町)間の2万31円が最大。20年度より2118円持ち直したが、唯一の2万円台で2年連続のワースト区間になった。

 1万円以上を要した5区間のうち、東北関係は3区間。花輪線荒屋新町(八幡平市)-鹿角花輪(鹿角市)間が2028円減の1万2471円、磐越西線野沢(福島県西会津町)-津川(新潟県阿賀町)間が5750円減の1万1956円だった。

 JR東の担当者は「地域にとって最適の交通体系を議論する材料にしたい」と述べた。沿線自治体に対し、鉄道存続策やバス転換などの協議を働きかける見通し。バス高速輸送システム(BRT)、自治体がレールや駅舎を保有・管理し、鉄道会社がサービスを担う「上下分離方式」なども選択肢にあるとみられる。

 区間別収支の発表は19、20年度分を示した7月に続き、2回目となる。JR東は今後、毎年秋ごろに区間別収支を公表する方針。

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