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いしのまき食探見>金華さば 調理多彩なブランド魚

秋から魚体が大きくなり脂が乗るサバ。寒さが厳しくなるこれからがさらに期待できる
みそ煮、しめさば、みりん干し。さまざまな調理法で旬の味が楽しめる

 海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。

金華さば

 寒さ厳しい12月早朝。石巻魚市場に朝日を浴びたマサバが船から次々と姿を現す。その中から魚体が大きく脂乗りのいいものを同市場がブランド魚「金華さば」と認定する。秋から冬は、サバを積んだ船が続々と入港し、市場も活気づく。

 金華さばを探しに石巻市中央3丁目の鮮魚店「ヤマキ新道水産」へ足を運んだ。代表の青山周平さん(30)が「太っていて顔が小さく見えるかがポイントの一つ。魚体の幅が広いものもいい」と、おいしいサバの見極め方を教えてくれた。

 調理法について、レジ担当の鈴木智子さん(75)は「塩焼きやみそ煮はもちろん、竜田揚げ、みりん干しにしてもいい。自宅にある調味料を使って、シンプルな料理で食べるのがお薦めだ」という。

 石巻地方では数多くの水産加工会社がサバを使った商品を開発、販売している。「三政商店」(石巻市泉町)の三浦政洋社長は「寒くなればなるほど身がぎゅっと締まってうま味が増す。多くの人においしさを伝えたい」と語る。

 今年は金華さばのシーズン到来宣言が12月と過去最も遅くなったが、徐々にサイズの大きいものが増えている。最盛期の1月に期待がかかる。

 寒さで家にこもりたく時期。締めさばや刺し身で味わうのもよし、カレーやお茶漬けの具にするといった選択肢もある。「今日はどうやって食べようか」。石巻を代表する魚とじっくり向き合おうと思う。
(大谷佳祐)

<メモ>
 石巻魚市場には黒潮と親潮が出合い餌が豊富な金華山沖などの漁場で、定置網、一本釣り、巻き網によって水揚げされたサバが水揚げされる。金華さばは鮮度が良く、脂質15%以上という基準を満たしたものだけが選ばれ、重さも500グラム前後が目安。

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